渕書店 BOOKSTORE FUCHI「藝大は読者の期待を全く裏切らない大学!バンザーイ!!」【書店員レビュー】

レビュー

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最後の秘境 東京藝大

『最後の秘境 東京藝大』

著者
二宮 敦人 [著]
出版社
新潮社
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784103502913
発売日
2016/09/16
価格
1,512円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

渕書店 BOOKSTORE FUCHI「藝大は読者の期待を全く裏切らない大学!バンザーイ!!」【書店員レビュー】

[レビュアー] 渕書店 BOOKSTORE FUCHI(書店員)

現役藝大生を妻に持つ作家の僕が藝大を取材。著しく個性的な人々と本書を読むことで出会うことができ、読者にとって常識から解放される稀有な体験となった。期待を裏切らない藝大の藝大らしさ、と書くと説明になっていないが、つまり一般に考えられる藝大への偏見をそのまま引き受けてくれる内容。

そんな彼らのオリジナリティーに圧倒されるエピソードをいくらでもここに紹介することはできるのだが、それは作者の仕事。つまり読んでこそってとこ。そして・・・許していただければ本書は笑いの宝庫という紹介もできる。笑いで体がずり落ちる。例えば著者が准教授と交わした下記の会話。
「見学かい?今、鉄を切ってるから見てく?」
「いいんですか?」
「鉄はいいよねえ」
「鉄の何がいいんですか?」
「硬いところだね」
「硬いところ・・・ですか?」
「うん、硬いところだね」(本文より)

藝大は音楽を志向する音校と美術のそれの美校とに分かれているがどちらの学生もバカみたいな受験競争率を通過した人々。つまり芸術のエリート達。とにかく【ならでは】の金言が本書のあちらこちらに、いえ、全面に散りばめられています。

トーハン e-hon
2016年12月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

トーハン

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