【児童書】『ことばあそび教室』中川ひろたか作、100%ORANGE絵
[レビュアー] 産経新聞社
■日本語の豊かさを実感
「うみがめがね」「しまうまんとひひ」に「こぶたんこぶら」…。文字だけだとよく分からないかもしれないが、ひとつひとつにユーモラスなイラストがついていると、しりとりを合体させる「ことばあそび」の楽しさが伝わってくる。
単純なしりとりから始まって、同じ文字から始まる言葉を並べる「あたまならべ」、違う言葉が隠れている「ことばのかくれんぼ」など、小さな子供向けの絵本とはいえ、改めて日本語の豊かさに気づかせてくれる本だ。「ことばのかくれんぼ」のページで、「おどろくまんとひひ」は何を見てマントヒヒが驚いているか、ちらっとイラストでヒントが示される。「みみず」や「まつり」は違う言葉が2つも隠れているというが、お分かりだろうか。
人気絵本作家が考えた無理難題を、2人組イラストレーターがユーモアで応えるほのぼのとしたやりとりも見てとれる。「両者の感覚がぴったり合っていると思う。絵を楽しみながら自由に言葉を遊んでもらえたら」と発行元ののら書店では話している。(のら書店・1400円+税)