画期的なまでに分かりやすい保守主義論

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画期的なまでに分かりやすい保守主義論

[レビュアー] 図書新聞

 エドマンド・バークによる「保守主義」の登場から、現在、そして未来までを平明に解説した一冊。著者自身が「必ずしも自らを保守主義者とは考えていない」ことが、本書を客観的な啓蒙書にした。画期的なまでに分かりやすい保守主義論である。「保守主義」という言葉は最近とみに取り沙汰されるが、単なる濫用に過ぎないことがよく分かる。そもそも「保守主義」は一義的には定義しにくい。バーク、T・S・エリオット、ハイエク、オークショットらの見解も、相対的なものだ。保守主義にも、進歩主義にも良い面と悪い面がある。意見の一致はほど遠いが、共存しなければならないこともまた事実。そのためにも、まずは自身の立場を明確に定義づけることが必要だろう。(6・25刊、二三二頁・本体八〇〇円・中公新書)

図書新聞
2017年1月1日号(3285号) 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

図書新聞

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