デヴィッド・ボウイが亡くなって1年がたつ。「彼を失って地球は前よりも寂しい場所になった」と感じる著者が、変身を重ねるカルト・スターの人生と創造の軌跡をたどる。「ボウイ・ファンの中ではまったく浅い若輩者」との自覚を持つ著者は、フラットな感覚で音を聴き、映像を見、資料に目を通して本書を書き上げた。
ボウイとは何者だったのか-。著者は書く。「すべてにあいまいさを残して、常に『どう解釈するかはきみ次第』とする、ずるいけれどかっこいい男」。彼は死んでからも作品を通じてわれわれに謎を投げかけてくるのだ。(ちくま新書・840円+税)
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2017年1月15日 掲載
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