【写真集】『白い犬』梅佳代

レビュー

5
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白い犬

『白い犬』

著者
梅 佳代 [著]
出版社
新潮社
ジャンル
芸術・生活/写真・工芸
ISBN
9784103336822
発売日
2016/12/22
価格
2,700円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

【写真集】『白い犬』梅佳代

[レビュアー] 産経新聞社

 ■面白く味わい深く

 日常的な風景から、グッと心を動かされる絶妙の瞬間を切り取る人気写真家、梅佳代による久々の新作。これまでの作品にも登場していた実家の犬、リョウの未発表作品をまとめている。

 隙間から顔を半分だけ出していたり、おかしな格好で跳ねていたり、白い雪に白い犬の図とか、路上のヘビに逃げ腰とか、めっちゃ変顔とか…面白い写真が次々に登場する。かわいいペットという感じではない。でも眺めていると、ちゃんと梅家の一員であることが伝わってくる。面白く味わい深いドキュメンタリーだ。

 〈はじめのころは木の枝で撫(な)でとったけど、最後のほうは友だちやったと思う〉

 帰省するたびに撮っていたのだろう。日付をたどると十数年分。拾われてきてリョウと名付けられた犬は、年をとってよぼよぼになったある日、居間に入ってくると家族の顔をじっと見つめて、すこし寄り添ってから部屋を出ていった、という。

 そして〈夜の間に山に行ってもう帰ってこんかった〉。(新潮社・2500円+税)(存)

産経新聞
2017年1月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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