日比谷高校を抜いた? 都立両国高校の英語教師が伝授する「使える英語」の身につけ方

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テキスト不要の英語勉強法 「使える英語」を身につけた人がやっていること

『テキスト不要の英語勉強法 「使える英語」を身につけた人がやっていること』

著者
布村 奈緒子 [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
語学/英米語
ISBN
9784046018083
発売日
2017/01/27
価格
1,404円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

日比谷高校を抜いた? 都立両国高校の英語教師が伝授する「使える英語」の身につけ方

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

2017年1月現在、私は東京都立両国高校で英語の教師をしています。
授業中に私が使う言語は英語だけ。生徒への指示も、生徒同士の会話も基本的に英語のみのオールイングリッシュの授業です。そのほか、私の受け持つクラスでは、
予習の必要がなく(あるときもあるけれど、やらなくても大丈夫)、
辞書はなるべく引かず、
全文和訳はなし、
英文法解説もなし、
教科書を使わない授業も多く、
教師はできるだけ教えない…
など、これまで日本で行われてきた英語教育とは、かなり違うやり方で授業を行なっています。
(「Prologue 『非常識』と批判された両国高校の英語授業に見学が殺到する理由」より)

テキスト不要の英語勉強法 「使える英語」を身につけた人がやっていること』(布村奈緒子著、KADOKAWA)の冒頭にはこう書かれています。本当にそんなことが可能なのでしょうか? 実際、授業を始めた当初は各方面から批判的な意見が相次いだのだともいいます。

ところが、その「フツーじゃない授業」で結果が出るようになると、全国の英語の先生や教育関係者などが、授業の見学に訪れるようになったのだとか。それどころか2013年度、両国高校は名門の日比谷高校や西高校を押さえ、国公立大学の入試結果で「都立トップ」の成績を収めたというのですから驚きです。

そんな実績があるからこそ、著者は「『英語が話せない日本人』から卒業するために必要なのは、英語へのアプローチの仕方を変えること」だと断言します。そのために必要ないくつかのポイントを、第3章「今日からできる! テキスト不要の英語学習法 話す力・聞く力を強化する英語の学び方」から引き出してみましょう。

文法書は「勉強」しない

「英会話を始めるなら、まずは文法を一からしっかり勉強しなおしてから」という考え方は、ある意味で普通のこと。そう考えている人は少なくないはずです。しかし著者は、文法の勉強にだけ時間をかけることはおすすめしないのだそうです。

なぜなら、文法書は「勉強」するものではなく、辞書のように「引く」ものだから。たとえば「構文を確認したい」「意味がわからなくて気持ちが悪い」というときに引くというくらいのつもりで利用するのがちょうどいいということです。

どんなに説明上手な文法書でも、実際に使われた英文を読んだり聞いたりして「そうか、こう使うのか!」と理解したものにはかなわないはず。言葉というのは、自分が実際に使って経験したものや、自分にとって意味があったり必要だったりするものでないと習得しにくいから。著者はそう主張します。

だからこそ、まずは自分の英語体験ありきだということ。そのうえで、わからないことや不確かなことがあったら文法書で確認してみる。そういう作業によって初めて、「ああ、こういう意味か」と、実体験として文法を覚えることができるというのです。(118ページより)

参考書ではなく「リアル素材」を活用する

では具体的にどうすればいいのか? この問いに対して著者は、英語を上達させたいなら、興味のあることを「英語で」するのがいちばんの近道だと答えています。そのために有効なのは、「リアル素材」を活用して学ぶこと。インターネットはリアル素材の宝庫なので、でパソコンやスマホを使い、英文で知りたいことを入力して検索をかければ、知りたいことやしたいことにアクセスできるということ。

旅行が好きな人なら、行きたい国や街の観光サイトを英語で検索してみましょう。
たとえば、「NY guide」と打ち込めば、「The Official Guide to New York City」「New York Visitor’s Guide」「New York City Guide」など、あらゆる観光案内のページが出てきます。
ここでは(中略)現地の情報をリアルタイムで知ることができますので、その土地の雰囲気を味わうことができるでしょう。こうした疑似体験を通して触れた英語は、あなたの中に根を下ろしていきます。(121ページより)

こうしたウェブサイトには写真がふんだんに使われているため、単語の意味がわからなくとも、自然と「ショッピングのページだな」「新しい服のブランドの紹介かな」などと内容を推測できるというわけ。そこで、写真やイラストなど、書かれている内容をイメージできる材料が多いものを選んで読むといいそうです。

そして同じように、HuluやNetflixのような動画配信サイトも教材になるのだと記していいます。リスニング力の強化になるだけでなく、英語圏の人の生活の様子がわかるだけに背景となる文化を知る材料にもなるというのです。また、NHK WORLDなどインターネットの英語番組、海外のニュースを扱うCNN、BBCなどのサイト、さらにはYouTubeやTEDなども活用できるといいます。

なおスマートフォン向けの学習アプリに関していうと、英単語の訳を問うような「暗記モノ」はおすすめできないそうです。先に触れたとおり、言葉は意味合いを持ったなかで活用されてこそ定着するものだから。

では、どんなアプリがよいのかといえば、実際のニュースやCM、ドラマなどの素材を使ったものだそうです。ちなみに著者が勧めているのは、スポーツや芸能ネタ、ドキュメンタリーなど、硬軟さまざまなジャンルの素材があるEnglish Central。(120ページより)

英語を英語のまま理解する3つのコツ

英語は英語のまま理解するクセをつけると、読むことも聞くこともスピーディにできるもの。しかし、さらにスピードを上げたいなら、知るべきコツがあると著者はいいます。それは、「文章の種類を見極める」「メインポイントを読み取る」「必要な情報を拾い読みする」の3つ。

まずは、「文章の種類を見極める」について。「英文で書かれたもの」といっても、種類はさまざま。そこで記事の種類によって構成が違うことを頭に入れて置くと、落ち着いて効率よく理解できるといいます。たとえばニュースの記事なら多くの場合、「Japan gets record number of medals at Rio Olympics(日本、リオ五輪でメダル記録更新)」など、タイトル(見出し)に内容が要約されているもの。書かれているテーマがわかれば、内容の詳細についてもある程度の推測をしながら読めるわけです。

エッセイの場合なら、「主題(結論)→理由→具体例→結論」といった具合に、構成がだいたい決まっています。ちなみに著者は生徒に対してこのことを、お菓子の「オレオ」(OREO)になぞらえて説明するのだそうです。英語の論理的な文章は、O-opinion(主張・意見)、R-reason(理由)、E-example/elaborate/experience(具体例/詳述する/経験談)、O-opinionの順で展開されることがほとんどだというのです。こうした流れは日本語でも英語でも似たようなもので、つまりは文の種類と流れを意識して読むと、あわてずに読めるということです。

次は、「メインポイントを読み取る」。文章を読む際、一文一文に同じ比重をかけて接していると大変。特に長い文章を読むときには、大事なところだけをきちんと理解するという、メリハリのある読み方をすることが大切だといいます。

エッセイのような、筆者の意見が書かれているものであれば、コツは「要するに筆者はなにがいいたいのか」を考えながら文章を読むこと。たいていは文章中に2つ程度、「should(…すべき)」や「must(…せねばならない)」などが使われた、筆者の主張が集約されている大事な文があるので、それを抜き出すつもりで読むといいのだそうです。そして、誰かに「つまり、筆者の意見はこう」と伝えるつもりで読むのがいいのだとか。

最後に「必要な情報を拾い読みする」ですが、タイトルや写真でだいたいの内容を推測し、自分の知りたい情報だけを拾い読みすることもおすすめだといいます。たとえば先のオリンピックのニュースでいえば、「今回は柔道ががんばっていたけど、結局いくつメダルを取ったんだっけ?」ということが知りたいのであれば、「judo」について書かれている箇所を探して読めばいいということ。

ご存知の方も多いと思いますが、これは大量の資料から必要な情報を拾い出す「スキャニング」という読み方。勉強だと考えると大変ですが、自分の好きなもの、たとえばニューヨークの人気スイーツ店の情報や、好きなミュージシャンの情報を調べるのなら、楽しんでできるそうです。(131ページより)

このように、基本的な考え方は従来の”常識”とは正反対。しかし、だからこそ逆に、強い説得力を感じさせてくれます。また、すぐにスタートできそうなことばかりなので、とても実用的。英語力アップを望んでいるなら、手にとってみるべきかもしれません。

(印南敦史)

メディアジーン lifehacker
2017年1月30日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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