[キノベス!2017 第2位]ハリネズミの願い

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ハリネズミの願い

『ハリネズミの願い』

著者
トーン・テレヘン [著]/長山 さき [訳]
出版社
新潮社
ジャンル
文学/外国文学小説
ISBN
9784105069919
発売日
2016/06/30
価格
1,404円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

ハリネズミの願い

[レビュアー] 川端浩子(紀伊國屋書店・長崎店)/青木紀子(紀伊國屋書店・営業企画部)/道越保江(紀伊國屋書店・堺北花田店)

【川端浩子・長崎店】
 主人公は臆病なハリネズミ。家に他の動物達を招待したいのに、「誰も来ないかも……。訪問されても大変なことになるかも……。」と妄想をめぐらせ、招待状も出せず終い。状況は違うけど躊躇して一歩が踏み出せないことって誰にでもある、と少し共感しつつ読み進めると、作者の文章は絵本をみているように頭の中で広がっていった。最後に登場したリスの、ハリネズミを思いやる言動に心が温まる。元々週めくりカレンダーに仕立ててあったというこの作品、1章ずつ読み進めていくのも良いかも。

【青木紀子・営業企画部】
 ぐるぐるぐる、考え出したらキリがない「もしも」を一つ一つ、ひたすら〈言葉〉にして迷い続けるハリネズミくん。きっと触ったら痛いけれど、彼が最後にたどり着いた〈言葉〉に思わず「よかったね!」と抱きしめたくなりました。

【道越保江・堺北花田店】
 森に住むハリネズミは仲間を招待しようと手紙を書き始めました。「きみたちみんなをぼくの家に招待します。……でも誰も来なくとも大丈夫です。」手紙を送る勇気がないハリネズミは、もしクマが来たら? フクロウが来たら?と想像を膨らませていきます。ハリネズミの言動にクスッとしたり考えさせられたり。ハリネズミの孤独や不安はまるで人の心を見透かしているよう。思わず共感してしまいます。幅広い年代層の方に読んでいただきたい、愛すべき一冊です。

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紀伊國屋書店
2017年2月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

紀伊國屋書店

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