伊坂の技巧が冴え渡る一冊

レビュー

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首折り男のための協奏曲

『首折り男のための協奏曲』

著者
伊坂 幸太郎 [著]
出版社
新潮社
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784101250311
発売日
2016/11/29
価格
724円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

伊坂の技巧が冴え渡る一冊

[レビュアー] 図書新聞

 タイトルは比喩ではなく、本当に首を折る男が出没しながら、緩やかにつながる七つの短編を収録した作品集。人気作家となった伊坂の技巧が冴え渡る一冊。何かを描写するということは、何かを描写しないということとセットであるが、伊坂の選択は全く必然的で、恣意性がきれいに消去されている。先に「技巧」と書いたが、それはひけらかしとは映らない。飽くまでも読後に結果として見出されるばかりだ。そんな伊坂の凄さを端的に味わわせてくれるのは「月曜日から逃げろ」だろう。この短編について、解説の福永信は「ラストで衝撃を受けて、私は椅子から落ちた者である」と書いているが、物語の必然性とアクロバティックな手法の、これほど幸せなマリアージュはそう滅多に見られるものではない。(12・1刊、四三八頁・本体六七〇円・新潮文庫)

図書新聞
2017年2月4日号(3289号) 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

図書新聞

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