脱出せよ! タイムリミットは6時間!

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

時限病棟

『時限病棟』

著者
知念 実希人 [著]
出版社
実業之日本社
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784408553160
発売日
2016/10/06
価格
652円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

脱出せよ! タイムリミットは6時間!

[レビュアー] 図書新聞

 大ヒット作『仮面病棟』の続編が、またしても文庫書き下ろしで登場。訳も分からぬまま病院に監禁されてしまった男女5人が、ピエロから与えられたミッションをクリアしながら、タイムリミット6時間の脱出ゲームに挑む医療ミステリーだ。前作の設定は踏襲しているが、いきなり本作を読んでも問題はない(ただしその逆は不可なので、順番に読むのがベスト)。ネット検索してみると、結末の評価は分かれていて、「すぐに予想ができた」という意見も散見される。思うに、帯文の「究極のどんでん返し!!」が期待値を上げすぎているのではないか。「知念=どんでん返し」という図式は、むしろ作家としての可能性を狭めてしまうだけだ。秀作を連発しているだけに、その呪縛に苛まれないことを祈る。(10・15刊、三六四頁・本体五九三円・実業之日本社文庫)

図書新聞
2017年3月4日号(3293号) 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

図書新聞

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク