『時限病棟』
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脱出せよ! タイムリミットは6時間!
[レビュアー] 図書新聞
大ヒット作『仮面病棟』の続編が、またしても文庫書き下ろしで登場。訳も分からぬまま病院に監禁されてしまった男女5人が、ピエロから与えられたミッションをクリアしながら、タイムリミット6時間の脱出ゲームに挑む医療ミステリーだ。前作の設定は踏襲しているが、いきなり本作を読んでも問題はない(ただしその逆は不可なので、順番に読むのがベスト)。ネット検索してみると、結末の評価は分かれていて、「すぐに予想ができた」という意見も散見される。思うに、帯文の「究極のどんでん返し!!」が期待値を上げすぎているのではないか。「知念=どんでん返し」という図式は、むしろ作家としての可能性を狭めてしまうだけだ。秀作を連発しているだけに、その呪縛に苛まれないことを祈る。(10・15刊、三六四頁・本体五九三円・実業之日本社文庫)