『シャクシャインの戦い』 平山裕人著

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シャクシャインの戦い

『シャクシャインの戦い』

出版社
寿郎社
ジャンル
歴史・地理/日本歴史
ISBN
9784902269932
発売日
2016/12/10
価格
2,700円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『シャクシャインの戦い』 平山裕人著

[レビュアー] 服部文祥(登山家・作家)

 シャクシャインの戦いとは、江戸時代の初期に蝦夷(えぞ)地で起こったアイヌ民族の蜂起である。狡猾(こうかつ)な和人が、純朴な先住狩猟採取民を欺いて怒らせ、武力で鎮圧したうえに、差別と搾取を強化した、と語られることが多いが、それは一面に過ぎないことを本書は明らかにする。

 アイヌには文字がなかったため資料となるのは、江戸時代の諸藩の記録、外国人の日記など。それらを慎重に擦り合わせ、伝承や古地図なども参考に当時の状況が浮き彫りになっていく。

 中世以降、アイヌの生活は海上交易が重要部分を占めるようになるが、徳川幕府の後ろ盾をうけた松前藩は取引を独占し、不当な条件を押し付けた。さらには和人がアイヌの地に入り込み、山や漁場を荒らすようになる。不満は各地のアイヌに広がり、日高地方の首長シャクシャインの呼びかけで、一斉に蜂起した。

 多数の資料から見えてくるのは、時に狡猾で、時に好戦的、交易で磨いた国際感覚を持ち、人間味に溢(あふ)れるアイヌの姿だ。和人の動向も含め17~18世紀のアイヌモシリ(北海道)全体を復権させた好著である。

 寿郎社 2500円

読売新聞
2017年3月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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