【聞きたい。】新谷学さん 『「週刊文春」編集長の仕事術』

インタビュー

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「週刊文春」編集長の仕事術

『「週刊文春」編集長の仕事術』

著者
新谷 学 [著]
出版社
ダイヤモンド社
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784478102091
発売日
2017/03/10
価格
1,512円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

【聞きたい。】新谷学さん 『「週刊文春」編集長の仕事術』

[文] 産経新聞社

 ■フルスイングで生きよう

 小学2年のとき、「きかんしゃやえもん」の読書感想文を書かされた。著者はこう記した。「機関車がしゃべるわけがない」。それだけ。後日、親が担任に呼び出された。

 「振り返ると、あれが僕の原点かもしれない。よく言えばリアリスト。今の仕事につながっています」

 平成24年、編集長着任の2カ月後「小沢一郎 妻からの『離縁状』」を載せたら完売に。昨年はタレント、ベッキーさんの「センテンススプリング」が流行語になり、スクープの文春は老若男女に知られている。

 「最大の武器です。人間への興味があって、意外な素顔を見たいと読者の皆さんも思っている。しかし、批判ではなく事実を伝えているだけ。ネタをつかまえウラを取ったら思いっきりフルスイングする。空振りもありますが、記者を評価はします」

 書かれる側の思いも大切にしているという。連載やグラビアなど雑誌全体の向上に努める。「読者の45%は女性で読み物のファンが多い。また、紙だけでなくデジタル展開やテレビ局からの記事使用収入など、総体でビジネスを考えます」

 イデオロギーを問われることもあるが、昨年、同誌を刑事告訴したのは青山繁晴、鳥越俊太郎の両氏。

 「うちがいかに『ど真ん中』なのか分かりますよね」と苦笑する。

 本書には、人間関係の構築と情報収集、企画を立てる発想、難攻不落の相手の心をいかに開かせるか…。多様なビジネスに通じる技が記される。だが、「おもしろがる気持ちの方が大切だ」と強調する。

 著者が顔写真を公表しないのは、編集長が雑誌の前に出すぎる弊害を防ぐためという。この一冊に通底する思いは、表紙裏にある。「みなさんが、それぞれのバッターボックスで『フルスイングしてみようか』という気持ちになってくれたら著者として最高にうれしい」(ダイヤモンド社・1400円+税)

 川村達哉

  ◇

【プロフィル】新谷学

 しんたに・まなぶ 昭和39年生まれ。東京都出身。早大政治経済学部卒。平成元年に文芸春秋に入社。「週刊文春」の記者4年、デスク5年を経験。24年から同誌編集長。

産経新聞
2017年3月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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