『怪魚を釣る』 小塚拓矢著

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怪魚を釣る

『怪魚を釣る』

著者
小塚 拓矢 [著]
出版社
集英社インターナショナル
ジャンル
芸術・生活/諸芸・娯楽
ISBN
9784797680065
発売日
2017/02/07
価格
799円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『怪魚を釣る』 小塚拓矢著

[レビュアー] 稲泉連(ノンフィクションライター)

 体長1メートル超の大魚を抱え、半身を川に沈めたまま満面の笑みで写真に収まる。ときどき登場するそんな著者の姿に心惹(ひ)かれた。なんていい表情をしているのか。この人は怪魚を釣り上げる日々に人生をかけ、心から楽しんでいるのだ、と思う。

 本書は自らを「怪魚ハンター」と呼ぶ著者が、世界中で大魚を釣り上げてきた経験を綴(つづ)った一冊。世界中の川に出向き、幻の魚や巨大なまず、コイの王といった目的にじりじりと接近していく行動力のたくましさに驚く。

 怪魚釣りの魅力は冒険をゼロから作り上げることにあり、〈あらゆるプロセスが「未知」であるがゆえに、そこには自由と創造がある〉という。資金や情報が何もないなか、どの魚に狙いを付け、どのように探し、釣り上げるか。現地で〈目がきらきらしている好奇心の強い人〉を見つけては情報を仕入れ、一つひとつを積み上げた先にあの笑顔があるのだと納得。自らの好奇心を総動員して工夫をすれば、世界にはまだまだ「未知」が広がっている。著者の生き方からはそんなメッセージが伝わってくるはずだ。(インターナショナル新書、740円)

読売新聞
2017年4月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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