『宇宙には、だれかいますか?』 佐藤勝彦監修

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科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?

『科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?』

著者
佐藤 勝彦 [監修]
出版社
河出書房新社
ジャンル
自然科学/天文・地学
ISBN
9784309253619
発売日
2017/02/22
価格
1,620円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『宇宙には、だれかいますか?』 佐藤勝彦監修

[レビュアー] 服部文祥(登山家・作家)

 タイトルは科学者への質問だが、宇宙空間に向けて放つ人類の叫びでもある。無限と言っていい大宇宙に、生命ある星が地球だけだとしたら、そのむなしさは恐怖である。

 多くの科学者はほかの星にも生命はいると答える。太陽系に別の生命がいると確信し、その観測に人生を捧(ささ)げる科学者も多い。地球外生命体には、命とは何かという疑問を解く鍵があるからだ。

 だが、知的生命体との遭遇となると多くがトーンダウンする。まず、生命が知的に進化するには多くの偶然が必要らしい。しかも、ホモ・サピエンスの文明はせいぜい数千年、宇宙のことがわかってきたのは、ここ数十年である。その文明さえ、化石燃料という地球の数億年分の遺産を消費することで発展維持され、もはや袋小路に入りつつある。天文学的にみれば地球の文明など一瞬でしかない。他の知的生命体の文明も同じだとしたら、ふたつの文明が同時期に発展して、コンタクトする可能性はゼロに近い。

 文明は長続きしないのだろうか。宇宙に生命を探すとは、自分たちのあり方を見つめ直すことに他ならない。(河出書房新社、1500円)

読売新聞
2017年4月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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