偏差値35から合格した現役東大生が実践した、「ゲーム式暗記術」とは?

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超カンタンなのにあっという間に覚えられる! 現役東大生が教える 「ゲーム式」暗記術

『超カンタンなのにあっという間に覚えられる! 現役東大生が教える 「ゲーム式」暗記術』

著者
西岡 壱誠 [著]
出版社
ダイヤモンド社
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784478102343
発売日
2017/04/06
価格
1,404円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

偏差値35から合格した現役東大生が実践した、「ゲーム式暗記術」とは?

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

現役東大生が教える 「ゲーム式」暗記術』(西岡壱誠著、ダイヤモンド社)の著者は、タイトルからも想像がつくとおり東京大学の2年生。とだけ聞くとエリートを想像してしまっても当然ですが、実際にはそうではなかったようです。

東大輩出者ゼロの無名校でゲームにハマって落ちこぼれ、学年ビリに。偏差値35の状態から東大を目指すものの、現役・一浪と2年連続で不合格。特に暗記が大嫌いで、「ああ、勉強が、暗記が、ゲームだったらよかったのに」と感じていたのだとか。おもしろいのは、そこから「辛いだけの暗記は、もう疲れた」「こうなったら、とことん楽しい暗記をやってやろう。そうだ、いっそゲームみたいに暗記しよう」と考えるようになったという点です。

そうして私は「ゲーム式暗記術」を作り出し、実践しました。この方法を駆使したことで、まず大嫌いだった暗記が楽しくなりました。今まで暗記できなかったような分量を暗記できるようになり、そうすると必然的に成績が上がっていきました。するとさらに勉強が楽しくなって…気づいた時には私の成績は急上昇。無名校のビリだった自分が、東大模試で全国4位になっていたのです。

(「はじめに」より)

その結果、念願の東大に合格したというのです。「ゲーム式暗記術」の特徴は、どんな人でも楽しく暗記できるようになる点だといいます。いってみれば、楽しく学びながら、成績も上げられるということ。そしてそれは受験生だけではなく、暗記や勉強で困っている社会人にも役立つのだそうです。それは、いったいどのようなものなのでしょうか? 基本的な考え方を理解するために、STAGE 0「『ゲーム』で誰もが暗記の達人になれる!」をチェックしてみましょう。

そもそも「ゲーム式」暗記術ってなんなの?

なぜ暗記が大変なのかといえば、純粋につまらないから。同じようなものをたくさん頭に入れるという単純な作業が、おもしろみを含んでいないからこそ、面倒くささにつながってしまうということです。だとすれば、単純な暗記に「ゲーム性」をつけ加えれば、暗記も楽しくなるはず。「暗記が苦手」「暗記が嫌い」という人も、無理なく暗記を実践できるようになるというわけです。

つまり、「単純でつまらない暗記に、ゲーム性を取り入れておもしろくしたもの」が、ゲーム式暗記術だということ。そして、それは「試験で点が取れる暗記術」でもあると著者はいいます。学生ならば受験で、社会人なら資格試験などで、点が取れるようになる暗記術だというのです。

そんなゲーム式暗記術は、「どうすれば暗記できるか?」「どう暗記すれば試験で点が取れるか?」を徹底的に考え抜いた末にできたもの。「暗記の効率がよくなるテクニック」「試験で点が取れる暗記テクニック」が随所に散りばめられているというのです。

しかも、きちんとゲームのルールがあって、ゲームクリアの条件も設定されているため、ルールに従ってがんばれば、自ずと暗記できるのだとか。「暗記しよう!」と気負う必要もなく、ただ「ゲームをクリアしよう!」と思うだけでOK。ゲーム性があるからだれでも楽しく実践でき、それでいて効果の出る暗記術だということです。(20ページより)

ゲーム式暗記術に「ご褒美」は欠かせない

ゲーム式暗記術はゲーム形式になっているため、ゲームクリアとゲームオーバーがあります。そこで、ゲームクリアの報酬としての「ご褒美」を、自分で設定してほしいと著者は記しています。理由は簡単で、ご褒美を設け、メリハリを持って勉強すれば、暗記の効率が上がるから。そしてそれは「暗記のやる気を出す」ためだけではなく、「暗記のやる気を維持し、効率を上げるためのもの」だというのです。

そこで、ここでは、「客観的に自分にとって最高のご褒美が設定できる方法」が紹介されています。

ご褒美設定のやり方

1. まずは、自分にとってご褒美になりそうなものをピックアップし、紙に書く。
「古本屋で漫画を1冊買って読む」といった具合です。「おいしいランチを食べる」とか「5分間動画を見る」とか、軽いものでもいいですし、「好きなバンドのライブに行く」とか「映画を見に行く」とか、時間のかかるものでも構いません。とにかく、自分がうれしいご褒美候補を列挙してみましょう。

2. それにかかる時間・満足度を書き出す
時間は30分なら0.5時間、90分なら1.5時間といった具合に「時間」に直して、満足度は100点満点で「このご褒美をしたら、自分はどれくらい満足できるだろう? 楽しいだろう?」と想像して書いてみましょう。「古本屋で漫画を1冊買って読む」なら「1時間」、「70満足度」といった具合です。

3. 満足度を時間で割ることで「ご褒美度」を算出し、一番ご褒美度の高いものを自分のご褒美として設定する。
古本屋で漫画を1冊買って読む=1時間 70満足度
70満足度÷1時間=70ご褒美度

おいしいランチを食べる=0.5時間 40満足度
40満足度÷0.5時間=80ご褒美度

といった具合です!
この場合、「おいしいランチを食べる」のご褒美度のほうが高いので、これが自分のご褒美になります。
(30〜31ページより)

こうして「ご褒美度」を算出すれば、客観的にいちばん効果のあるご褒美が設定できるというのです。時間がかかるものでも、ご褒美度が高ければがんばることができ、ご褒美を受けたあとも「次もがんばろう!」と英気を養うことができるという考え方です。(28ページより)

まずは入門編! ウォーミングアップ暗記ゲーム

ゲーム式暗記術に対する不安感をまず払拭するため、本章のラストには、暗記の前の頭と心の準備に最適だという「ウォーミングアップ暗記ゲーム」も登場します。

ウォーミングアップ暗記ゲームのルール

1. まずは、最近覚えた言葉のなかで、覚えにくかったものを3つ、紙に書く。
単語や用語、知人の名前でも歌や本のタイトルでも構いません。それも思い浮かばない人は、昨日の晩御飯の献立でも大丈夫です。とにかく3つ書いてみましょう。

2. その紙を裏返しにして、5分間まったく別のことをする。
本を読んでも、スマホをいじっても、他の暗記をしても、おやつを食べても構いません。紙に書いた言葉のことなんて忘れて、他のことをしてください。

3. 5分経ったら、その紙に書いた言葉3つが思い出せるかをチェックして、全部思い出せたらゲームクリア!
何を書いたのか思い出して、きちんと3つとも思い出せるかをチェックしてみましょう。思い出せなかったらゲームオーバーです。
(33〜34ページより)

「さあ、暗記しよう!」と思ったときには、まずこのゲームをやってみるといいと著者はいいます。なお「3つだと簡単すぎる」という場合は、4つ、5つ、6つと数を増やしていくといいそうです。

単純ではありますが、こんなふうに「ルール」があって、「ゲーム」になっていることがゲーム式暗記術の特徴だというのです。「暗記しよう」と思うのではなく、「ゲームをクリアしよう」とがんばれば、自ずと暗記できる。ゲーム式暗記術は、そのようにできているということ。しかもそこには、暗記に役立つテクニックもきちんと含まれているのだといいます。

このウォーミングアップゲームも、なんの意味もなさそうに見えますが、実は暗記するうえで欠かすことのできない要素を含んでいるというのです。そのことを解説するにあたり、著者は脳の「海馬」の機能について触れています。

頭のなかに入れた新しい情報は、脳のなかの海馬に送られます。ただし膨大な量の情報が送られるため、そのすべてを覚えていたのでは、脳はパンクしてしまうことに。そこで海馬が情報を取捨選択し、「この情報はいらない」というものは忘れ、「この情報は大切だ」というものは脳の「大脳皮質」に送られるのだといいます。そうやって、記憶は定着するわけです。

では、海馬はどうやって情報を取捨選択しているのでしょうか? それは、「この情報は何度も見ているな」と思うものを「大切に違いない」と判断し、大脳皮質へ送るというのです。しかも海馬を使えば使うほど、「大脳皮質へ送る」力は鍛えられるのだとか。つまり海馬を使えば使うほど、暗記できるようになるということ。

また海馬は、感情と結びついている情報、すなわち「おもしろいな」「楽しいな」あるいは「悔しいな」と感じた情報を、積極的に大脳皮質へと送ってくれるのだといいます。つまり、こういうことです。

・復習すれば暗記できる。
・復習が習慣化していれば、より多くを暗記できるようになる。
・楽しみながらやれば、暗記できる。
(36ページより)

これら3つが、脳の働きからも証明できるということで、先ほどの「ウォーミングアップ暗記ゲーム」にも同じことがいえるそうです。短い時間で、2回同じ情報を送り、しかもゲームだから楽しみながら実践できる。まさに、海馬を活性化させる仕組みになっているということです。

このように、暗記に役立つテクニックがたくさん入っているのがゲーム式暗記術。すべてゲーム式になっているため、ゲームに「勝った」「負けた」で一喜一憂することが可能。そのように感情と結びついた暗記は覚えやすいため、本気でゲームをやって、「ゲームクリアできてうれしい!」「ゲームオーバーになって悔しい!」と感じれば感じるほど、暗記できるようになるというわけです。(33ページより)

こうした基本を踏まえたうえで、以後の章では<初級編><中級編><上級編><応用編>とステップを踏みながら、さまざまなゲームが紹介されていきます。著者がいうように楽しみながら学べるため、無理なく暗記することが可能。なかなか暗記できないと悩んでいる方は、手にとってみるといいかもしれません。

(印南敦史)

メディアジーン lifehacker
2017年4月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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