【話題の本】『京大カレー部 スパイス活動』石崎楓著

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京大カレー部 スパイス活動

『京大カレー部 スパイス活動』

著者
石﨑楓 [著]
出版社
世界文化社
ISBN
9784418173099
発売日
2017/03/16
価格
1,430円(税込)

書籍情報:openBD

【話題の本】『京大カレー部 スパイス活動』石崎楓著

[レビュアー] 川村達哉

 ■知らないから知りたい

 京都大学に「カレー部」なるものがあるとは、本書に出合うまで知らなかった。何しろ「カレーのことを何も知らない。だから、もっと知りたい人びとが、カレーを食べていろいろ考える研究会」なのだそうだ。

 著者は4代目の部長。京大カレー部は平成22年に発足した。学内、関西、全国を舞台に各種イベントを開催。スパイスから作る創作カレーを販売してきた。

 この部には“座右の銘”があって、「カレーは愛。愛こそカレー。それがジャスティス。」とまあ、とにかく熱いのである。

 本書はイラストや写真をふんだんに取り入れ、大学周辺のカレー屋さんを紹介したり、スパイスから始まるカレー作りを公開したり…。カレー三昧(ざんまい)な内容だ。

 そして、その奥深さについてこう記す。「ひと鍋のカレーを通じて映し出されるその土地の自然や人、その関係の歴史に目を向けることで、私たちはまた新しい世界を見ることができる。(中略)経験そのものが、驚きと感動を生み出してくれる人生のスパイスなのだ」

 全編からほとばしる熱気に、読者たちはきっと食べたくなるに違いない。(世界文化社・1300円+税)

 川村達哉

産経新聞
2017年4月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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