『土偶のリアル』 譽田亜紀子著

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土偶のリアル

『土偶のリアル』

著者
譽田亜紀子 [著]/武藤康弘 [監修]
出版社
山川出版社
ジャンル
歴史・地理/日本歴史
ISBN
9784634151123
発売日
2017/02/20
価格
1,620円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『土偶のリアル』 譽田亜紀子著

[レビュアー] 稲泉連(ノンフィクションライター)

 かつて一万数千年の長きにわたって続いたとされる縄文時代。日本列島のその先史時代に、縄文人によって造られた人型の像が土偶である。

 本書は5体の国宝を含む興味深い土偶の世界を丁寧に描いた一冊。「ビーナス」と呼ばれる大型土偶、人体の文様付きの不可思議な土器、手を膝の前で組んでいる合掌(がっしょう)土偶やまるで宇宙人のような晩期の遮光器土偶まで――。「なんか出てきたで」という言葉から始まった発掘の逸話などを交えつつ紹介していく。

 著者は研究者ではなく、縄文時代に魅了された「土偶女子」ともいえる偏愛の人。土偶と見つめ合い対話を交わすように、用途や目的、造り出した人々の見ていた世界を一歩先まで推測する筆致が心地良い。ほどよく専門的で、行き届いた解説が理解を深めてくれるのだ。

 著者の土偶への愛の深さゆえだろう。様々な像の写真を眺め、解説を読むうちに、私は何だか妙な心持ちになってきた。

 太古の人々が表現した像の多様な瞳に、いつの間にかじっと見つめ返されているような気がし始めたからである。(山川出版社、1500円)

読売新聞
2017年4月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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