『さむらい道 上下』 高橋義夫著 

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さむらい道 上 最上義光表の合戦・奥の合戦

『さむらい道 上 最上義光表の合戦・奥の合戦』

出版社
中央公論新社
ISBN
9784120049637
発売日
2017/03/18
価格
2,052円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

さむらい道 下 最上義光もうひとつの関ケ原

『さむらい道 下 最上義光もうひとつの関ケ原』

出版社
中央公論新社
ISBN
9784120049644
発売日
2017/03/18
価格
2,052円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『さむらい道 上下』 高橋義夫著 

[レビュアー] 土方正志(出版社「荒蝦夷」代表)

 出羽(でわ)山形藩初代藩主・最上義光(もがみよしあき)を描いた歴史小説の雄編だ。東北の戦国大名たちの対立策謀と合従連衡(がっしょうれんこう)、権謀術数(けんぼうじゅっすう)と離合集散、複雑な婚姻(こんいん)による骨肉相(あい)食(は)む幾度もの合戦と和議。信長・秀吉・家康らの思惑がそこに複雑に絡み合った動乱に「負けまい、勝つまいの戦」を繰り広げて出羽の国を守ろうと苦闘する義光の、青春から五十代半ばまでの物語が上下巻を通して悠々(ゆうゆう)と綴(つづ)られる。義光だけでなく家中の面々にも充分に筆が費やされて、群像劇の趣もある。故郷を守ろうとする仲間たちの群像である。お国言葉のやり取りが読者になおさらそれを感じさせる。

 著者は山形在住の直木賞作家。本作も山形新聞に連載された。おそらくは連載の読者も山形人だろう。登場人物たちとその舞台への視線が限りなく優しく、そして哀切なのは、そんな作品だからかもしれない。地域からの視線が生きた鮮烈な歴史小説である。伊達政宗(だてまさむね)の生母で義光の妹を描いた前作『保春院義姫(ほしゅんいんよしひめ)』を序曲に、著者の新たな代表作となる一作と見た。その死までの続編が書かれるのを期待したい。(中央公論新社、各1900円)

読売新聞
2017年4月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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