『東京いい道、しぶい道』
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本書を片手に気軽に散歩に出かけたい
[レビュアー] 図書新聞
町歩きをするにはいい季節になった。町歩きの作法というか、みんなそれぞれ自分流の歩き方があるだろうが、例えば都営バス一日乗車券(五〇〇円)を買って、バスに乗り、適当なところ(できれば全然知らない場所)で降り、路地から路地を経巡って歩いてみる。すると、ものすごく小さい神社とか、「よく成り立ってますね」と言いたくなるような豆腐屋さんとか、朽ち果てそうなラーメン屋とか、ちょっとした遺構とか、思いがけない出あいがある。それが楽しくて、町歩きはやめられないのだ。本書は東京を城北、城東、城南、城西、多摩の五つのエリアにわけ、「いい道、しぶい道」を歩く。長くて五km、短いと五〇〇mない道なので、本書を片手に、気軽に散歩に出かけたい。(4・10刊、二五二頁・本体一〇〇〇円・中公新書ラクレ)