『ドライバーレス革命』 ホッド・リプソン、メルバ・カーマン著

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ドライバーレス革命

『ドライバーレス革命』

著者
ホッド・リプソン [著]/メルバ・カーマン [著、朗読]/山田 美明 [訳]
出版社
日経BP
ジャンル
社会科学/経営
ISBN
9784822251956
発売日
2017/02/25
価格
2,160円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『ドライバーレス革命』 ホッド・リプソン、メルバ・カーマン著

[レビュアー] 柳川範之(経済学者・東京大学教授)

技術革新の歴史と現状

 少し前までは、遠い未来の可能性のように思われていた自動運転車。いつの間にか、マスコミでも多く取り上げられるようになり、実用化も近いのではないかという雰囲気になってきた。

 しかし、実態が良く分からず、少なからぬ疑問をもっている方も多いことだろう。一体どんな技術革新でそんなことができるようになるのか、きちんと事故を起こさず走れるのか、事故を起こしたときの責任はだれがとるのか等々。これらの多くの疑問に、丁寧にかつ分かりやすく答えてくれているのが本書だ。

 もちろん、現段階では分からないことも多い。単純に技術の問題だけで決まるものでもないからだ。

 たとえば、技術の発展に合わせて、少しずつ運転から人間の手が離れるようにしたほうが良いのか、あるいは最初から完全自動の車を開発したほうが良いのかは、意見が分かれるようだ。素人目には徐々に手を離したほうが安全そうだが、緊急時だけ人間が運転して果たしてきちんと運転できるかという課題もあるらしい。

 また法的責任となると、どのような法制度を考えるかで当然結果が変わってくるし、その際には倫理的価値判断も問われることになる。

 このように、意見が分かれる難しい点についても、特定の立場を強く主張するのではなく、きちんとメリットデメリットを説明し、バランスのとれた記述がなされている。

 本書を読むと、深層学習という、これも最近マスコミで良く目にするようになった人工知能に関する革新が、いかに自動運転車にとって必要不可欠なものだったかが良く分かる。

 本全体として自動運転技術の歴史を語る結果、人工知能やロボット技術がどのように発達したのかのやさしい説明になっている。その意味で、単に自動運転技術だけにとどまらず、人工知能技術の現状を知りたい人にもお勧めだ。山田美明訳。

 ◇Hod Lipson=コロンビア大教授(機械工学)◇Melba Kurman=著述家、テクノロジーアナリスト。

 日経BP社 2000円

読売新聞
2017年4月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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