『春画で学ぶ江戸かな入門』 車浮代、吉田豊著

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春画で学ぶ江戸かな入門

『春画で学ぶ江戸かな入門』

著者
吉田 豊 [著]/車 浮代 [著]
出版社
幻冬舎
ISBN
9784344030862
価格
1,728円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『春画で学ぶ江戸かな入門』 車浮代、吉田豊著

[レビュアー] 清水克行(日本史学者・明治大教授)

 くずし字を習得して、旅館の床の間の偉そうな掛け軸や、博物館の古文書が自由に読めたら、どんなに面白かろう。歴史に興味をもったことのある人なら、誰しも夢想したことがあるのではないだろうか。でも、いまさら勉強する根気も自信もない。

 そんな御仁にオススメなのが、本書。なにせ春画(男女の性の営みを描いた浮世絵)の脇に書き込まれたセリフを素材にして、くずし字を勉強してしまおうという新機軸のテキストなのだ。キワ物狙いの本かと思いきや、中身は意外と実践的。メインの図案が解読のヒントになるうえ、擬態語の繰り返しが多く、ほとんどが一場面、しかも記述内容は興趣に富んでいる。じつは春画はくずし字学習の最良の入門素材だったのだ。その8文字を習得すれば8割は解読可能になるという著者考案の魔法の呪文は「はたかにわけすれ(裸には毛擦れ)」。これなら飽きっぽい人も興味を持続できる。エロは偉大だ。解説も丁寧で、くずし字の初歩とともに、春画のイロハも勉強できる。ただし、電車での通勤・通学中の学習には不向きなので、ご注意を。(幻冬舎、1600円)

読売新聞
2017年4月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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