『日本の色のルーツを探して』 城一夫著

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日本の色のルーツを探して

『日本の色のルーツを探して』

著者
城 一夫 [著]
出版社
パイインターナショナル
ISBN
9784756247001
価格
1,944円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『日本の色のルーツを探して』 城一夫著

 古代の日本では「アカ」「クロ」「シロ」「アヲ」の四つを基本に、自然界にある植物や鉱物の具体名で色を表現したという。やがて陰陽五行説が伝わって中国で重視された黄色も基本色に。仏教の影響で寺院のグラデーション配色や水墨画の墨の濃淡による表現が……日本人が育んできた14の色の歴史をたどる。

 例えば赤の系譜。古来、呪術的意味を持ったが、近現代には、文明開化や自由の象徴にもなった。例えば白の系譜。神に属したこの色への愛着は、戦後、乗用車の時代が来ると、我が国特有の「白い車」の流行をもたらした。歌舞伎や花魁(おいらん)からサイケデリックアートまで連なる過度の彩色を「婆娑羅(ばさら)色」として考察するのも新鮮だ。

 オールカラーで、神社仏閣、絵画、陶磁器など様々な色の美が目に楽しい。日本の文化は色とともにあったと思えてくる。(パイ インターナショナル、1800円)(佐)

読売新聞
2017年5月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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