【話題の本】『日本人のしきたり』飯倉晴武編著

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日本人のしきたり

『日本人のしきたり』

著者
飯倉, 晴武, 1933-
出版社
青春出版社
ISBN
9784413040464
価格
733円(税込)

書籍情報:openBD

【話題の本】『日本人のしきたり』飯倉晴武編著

[レビュアー] 三保谷浩輝

 ■「日本回帰」でミリオンセラー

 平成15年1月の刊行から14年、今年2月に53刷、100万部を突破した。出版元の青春出版社では4年の「それいけ×ココロジー」以来のミリオンセラー。記念のサイトや本の帯もつくるなど「盛り上がっています」と担当の中野和彦編集長。

 宮内庁書陵部研究官などを務めた著者が、グローバル化、IT化がもてはやされる風潮のなか、「日本人の豊かな人生観を再発見するきっかけに」と執筆。年中行事、結婚、出産、葬式、縁起などの身近なしきたりを簡潔に紹介した。

 たとえば、正月に飾る鏡餅の丸餅は人の魂を模し、2つ重ねるのは《月(陰)と日(陽)、福徳が重なって縁起がいいから》や、《二十四節気のいわれ》《衣替えはいつからか》-など。

 毎年末を中心に売れていたが、18年に『国家の品格』、安倍首相の『美しい国へ』がベストセラーになり、「日本回帰の流れに乗って、爆発的に火がついた」(中野編集長)。19年出版の続編『数』『礼儀作法』のしきたり本も32万部、20万部とヒットしている。

 若い読者も増え、再び「日本回帰」のきっかけとなる東京五輪に向け、“しきたりの輪”はさらに広がりそうだ。(青春新書インテリジェンス・667円+税)

 三保谷浩輝

産経新聞
2017年5月27日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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