『ハイン 地の果ての祭典』 アン・チャップマン著

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ハイン 地の果ての祭典

『ハイン 地の果ての祭典』

著者
[]
出版社
新評論
ISBN
9784794810670
発売日
2017/04/24
価格
3,240円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『ハイン 地の果ての祭典』 アン・チャップマン著

[レビュアー] 土方正志(出版社「荒蝦夷」代表)

 いやはやびっくり、二〇世紀初頭のドイツの人類学者による南米最南端フエゴ島セルクナム族の祭典「ハイン」の記録が、米人類学者の手によって、いま私たちの許(もと)に届く、その経緯もドラマだが、なにせ写真がスゴい。円谷(つぶらや)プロの宇宙人か怪獣か、はたまた「仮面ライダー」の怪人か、一見、不気味でグロテスク、禍々(まがまが)しくもある精霊に扮(ふん)したセルクナムたちがずらりと収まっている。

 だが、彼らが絶滅に至る過酷と悲惨を読み進み、祭典の意味を知れば、その姿が哀(かな)しくてやがてなつかしく、そしてキュートでチャーミングにさえ見えてくる。宇宙人や怪人たちを愛する私たちは彼らと実はどこか似通っているのではないか、なにかが通底しているのではないか。

 奇抜な扮装はないが、撮影者にアッカンベーする男の写真が私は好きだ。茶目(ちゃめ)っ気溢(あふ)れる時空を超えたアッカンベーは、確かに私たちに向けられている。大川豪司訳。

 新評論 3000円

読売新聞
2017年6月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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