「うまくなる人」になるために、自分の行動を1つ1つ「分解」してみよう

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図解 うまくなる技術 行動科学を使った自己成長の教科書

『図解 うまくなる技術 行動科学を使った自己成長の教科書』

著者
石田 淳 [著]
出版社
まる出版
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784861131875
発売日
2017/05/15
価格
1,512円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

「うまくなる人」になるために、自分の行動を1つ1つ「分解」してみよう

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

私が提唱している行動科学マネジメントとは、アメリカのビジネス界や教育界などで大きな成果を挙げている行動分析学・行動心理学をもとにしたマネジメント手法を、日本人に最適な形にアレンジしたものです。すでに多くの企業に導入され、組織の現場を変えてきた実績があります。(「PROLOGUE」より)

こう説明するのは、『図解 うまくなる技術 行動科学を使った自己成長の教科書』(石田 淳著、まる出版)の著者。行動科学マネジメント研究所所長として、これまでに1000社以上の企業、のべ30000人以上のビジネスパーソンを指導してきたという人物です。

行動科学は「再現性」を重要視して構築されたメソッドであり、再現性とは「いつ、どこで、誰がやっても同じような成果が得られる」という意味。「ある物事では有効なやり方だけれど、別の物事では使えない」ということではなく、どんな分野の物事に当てはめてもよい結果が出るからこそ、科学的といえるのだそうです。

そして上達しない理由は、「やり方がわからない」か「続けられない」かのどちらか。だからこそ、その2つの課題を解消できれば、人は誰でもうまくなるという考え方です。つまり上達するための「行動技術」は、仕事でも勉強でもスポーツでも趣味でも、基本的に同じ。練習の中身が違うだけで、大枠は同じなのだということ。

著者によれば本書は、「再現性」のある行動科学のメソッドのなかでも、特に自分自身を上達させるための基本的なノウハウを11種の「行動技術」としてまとめたもの。きょうはそのなかから、「行動技術6 自分の現状を知る」に焦点を当ててみたいと思います。

うまくなる人は、自分の行動を細かく「分解」できる

行動科学では、「行動分解」という手法を重要視しているのだそうです。文字どおり、行動を分解してみること。たとえば私たちは「ペットボトルの水を飲む」をひとつの行動だと思っていますが、行動分解してみると、実は小さな行動の積み重ねによってペットボトルの水を飲んでいることがわかるわけです。試しに「ペットボトルの水を飲む」という行動を、10のプロセスに分解してみましょう。

行動は? ペットボトルの水を飲む

1:ペットボトルを片手でつかむ

2:もう一方の手をフタの部分に近づける

3:フタをつかむ

4:フタをひねる

5:フタを開ける

6:つかんだ手を口に近づける

7:飲み口を唇にあてる

8:ペットボトルのお尻を持ち上げる

9:水を口の中に流し込む

10:水を飲み込む

(108ページより)

当たり前すぎるようにも思えますが、この手法を身につけると、上達スピードが飛躍的にアップするのだと著者は主張しています。理由は、行動を細かく分解できれば「自分はどの行動まではできて、どの行動からできないのか」がピンポイントで明らかになるから。

ゴルフでいえば、「ボールをまっすぐに飛ばせない」というような大雑把な問題点ではなく、「ボールを捉える瞬間に前肩が数センチ開いてしまう」といった具体的な問題点になるということ。

しかも行動分解する方法は、スローモーションで動いてみて、ひとつひとつの動きを箇条書きにするだけなのでとても簡単。なおスローで動くのが難しい場合は、通常の動きを動画撮影し、スロー再生しながら箇条書きするとよいそうです。(106ページより)

うまくなる人は、お手本と自分の動きの違いに気づける

憧れのトップレベル、あるいは実力が少し上のライバルの存在は、上達を早めてくれるもの。なぜなら、うまくなる人は絶えず、お手本と自分との動きの違いについて考えているからだといいます。そして、その人と自分とのギャップを埋めようとすることによって、うまくなっていくといいます。

たとえば、先輩が簡単にできる動きを、自分ができなかったとします。しかし、「うまくできない」と落ち込んでいるだけでは、うまくなれなくても当然。そこで、自分の行動を分解することが重要になってくるというのです。

まずは自分の行動を分解し、次に「先輩と同じようにできているところ」と「先輩ができているのに自分ができていないところ」を仕分けし、最後は反復練習。「自分ができていないところ」を、頭でいちいち考えなくても身体が自然にできるようになるまで何度も練習するわけです、その際に重要なのは、「どの動きを練習すればうまくなれるか」を考えながら練習すること。(110ページより)

うまくなる人は、「技術習得の4段階」を知っている

「技術習得の4段階」というものがあるのだそうです。第1段階は「知らない」、第2段階は「知っているができない」、第3段階は「意識すればできる」、第4段階は「意識しなくてもできる」。技術の習得は、この4つの階段を登っていくことだというわけです。自動車の運転にたとえれば、次のような感じ。

●第1段階…「自動車って何? 運転って何?」という状態

●第2段階…運転の原理はわかるが運転はできない

●第3段階…なんとか運転できるが、動きがぎこちない

●第4段階…無意識でスムーズに運転できる

(112ページより)

第4段階に到達して初めて、「それができるようになった」といえるということ。うまくなる人は、「いまの自分にできないこと」があったら、第4段階になれるように反復練習をしているのだそうです。(112ページより)

うまくなる人は、自分の行動を客観的に観察している

うまくなる人は、自分を客観視するのが上手だと著者。そして客観視するうえでオススメの方法が動画撮影なのだそうです。仕事の様子、運動中の様子、勉強中の様子など、自分がうまくなりたいものを、自分が普段どんなふうに行なっているか、自分の動きを動画で撮影してみるということ。

特にオススメは、背中側など、普段自分が見られない角度から撮影してみることなのだとか。なぜなら、「自分が頭のなかで思っていた動き」と「実際の動き」が違う可能性があるから。

つまり、自分では全身を使ってボールを投げていたつもりだったのに、実際は手投げになっていた、などということが起こりうるわけです。そしてそのギャップに気づければ、なにをどう修正すればいいのかの糸口が見つかり、上達が早まるということ。

動画撮影の他にも、的確なアドバイスをくれる人に「自分の動きはどうだったか?」と尋ねるという方法も有効。つまりは、自分の行動を客観視するようにすることが重要だということです。(114ページより)

イラストや図版が豊富に盛り込まれているため、行動科学について無理なく学ぶことができるはず。自分をより高めたいと考えている人は、手にとって見てはいかがでしょうか?

メディアジーン lifehacker
2017年6月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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