27年間保険営業を続ける著者が教える「アポの5原則」とは?

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誰も教えてくれなかった営業の超基本! 「アポの5原則」

『誰も教えてくれなかった営業の超基本! 「アポの5原則」』

著者
藤島幸恵 [著]
出版社
ぱる出版
ISBN
9784827210651
発売日
2017/06/16
価格
1,512円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

27年間保険営業を続ける著者が教える「アポの5原則」とは?

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

初心者・経験者を問わず、すべてのセールスパーソンは「新しいお客さま」に会い続けなければなりません。

でも、どうやったら新しいお客さまに会い続けられるのかわからないまま、営業は苦しいものだと思い込んでいる人がたくさんいます。でも、それは違います。

正しいやり方と正しい考え方を身につければ、営業は、「本当は」楽しいものに変わります。苦しい人は、営業が苦しいのではなく、自分が苦しくなるような仕事にしているのです。(「まえがき」より)

こう主張するのは、『誰も教えてくれなかった営業の超基本!「アポの5原則」』(藤島幸恵著、ぱる出版)の著者。27年間にわたり、保険営業の現場で活躍しているという人物です。

タイトルからも想像できるとおり、本書で強調しているのは「アポ」の重要性。どんなに知識を高めても、スキルを磨いても、「土俵」に乗らなければ契約をいただくことは不可能。しかし「アポを取ることができ、『これに決めてください』とクロージングができれば、ご契約はいただける」というわけです。

では、そんな著者が提唱する「アポの5原則」とはどのようなものなのでしょうか? 第2章「正しい進め方をすれば必ず『アポ』は取れる! ◆藤島式『アポの5原則“Five Step”メソッド』」を見てみましょう。

「アポの5原則“Five Step”メソッド」ステップ1.

第1ステップで重要なのは、アポを取ったらスケジュール帳を開き、相手の目の前で書き込むこと(対面の訪問営業を想定)。そうすることで「相手に『アポを取られたぞ!』と意識してもらいたい」「断るスキを与えたくない」「アポを忘れてほしくない」「軽く考えてほしくない」ということなどを訴えられるわけです。

相手も、目の前で予定を書き込んでいる姿を見れば、口約束よりも大事な約束のように感じ、「きちんとした人だ」という安心感を得られるもの。

なお、そのスケジュール帳には、できるだけ予定を書き込んでおくようにすべきだといいます。アポが少なければ、プライベートの予定でもOK。なぜなら、お客さまがその書き込みを見たとき、予定があまりにもスカスカでは、「この人で大丈夫か?」と不安に思われるから。

逆に、予定がびっしり埋まっている手帳を見れば、「このアポはセールスパーソンに取っても貴重な時間なんだな。加入するにせよ、断るにせよ、面談を実りあるものにしよう」という意識が生まれやすくなるというのです。

もちろん、相手や状況にもよるでしょう。しかし、そういう部分に気づいてくれるお客さまほど、あとによい関係になることが多いと著者はいいます。

アポはその場で取ることが基本ですが、絶対にアポを取らなくてはいけないということではないのだとか。ポイントは、「アポの取れる人だけ」からアポを取ること。そして大事なのは、「その場でアポが取れなかったときにどうするか?」。著者はそんなとき、お客さまを「見込み度」によって3種類に分けているのだそうです。

1. 今、アポが取れる人

2. 今はダメだけど先ならいい人

3. まったくダメな人

(93ページより)

これを確かめるには、相手に聞く以外にありません。

客「今は大きな仕事があってバタバタしていてねえ。予定は決められないんですよ」

営「そうですか。お忙しいんですね。それって、どれくらいで落ち着くんですか?」

客「夏の間は無理だと思います」

営「わかりました。じゃあ、私、いつくらいに電話したらいいですか?」

客「9月に入ってからかなあ……」

営「では、9月第1週目のお昼休みにご連絡させてください」

客「いいですよ」

(93ページより)

このように、次に電話できる日程を、連絡する時間帯まで具体的に決めておくということ。そうすると、相手が「いま、時間が取れない人」なのか、「まったくダメな人」なのか、「いつか時間が取れる人」なのかがわかるというわけです。

スケジュール帳が真っ白だと、恥ずかしいと感じてしまいがち。しかし著者は、スケジュールの空白は宝物だと思っているのだそうです。大事なのは、その空白の時間になにをするか。空白がたくさんあるのであれば、「アポを取れる人と出会うためにどうするか」を考え、スケジュールをつくっていけばいいという考え方。著者はそれを「スケジュールデザイン」と呼んでいるそうです。

たとえば「○○の地域で飛び込みをしよう」と時間を取ってみれば、その時間は埋まることになります。最初はそこからで大丈夫だというのです。また、スケジュール管理に関しては、どこからどこまでの時間が空いているのかを、自分が把握していることも重要。

そこで、まずはミーティングや朝礼、私用の予定も含め、すでに決まっている予定をすべて書き込んでみる。たしかにそうすれば、自分のスケジュールの空いている時間がわかることになります。

なお空き時間を正確に把握するためには、スケジュール帳の選び方やアポの記入方法も重要。スケジュール帳は、1日の予定を書き込むスペースが大きいものを選ぶべきだといいます。そして大切なのは、【時間軸】で管理すること。縦でも横でもいいので、時間軸がはっきりわかるものを使うということです。

スペースが小さいものや正方形のものを使うと、正確な時間を書きにくく、予定を何件か入れただけでいっぱいになり、たくさん仕事を入れたような気持ちになってしまいがち。でもスペースの大きな手帳を使っていると、たくさんの予定を入れても「隙間」があることが可視化できます。それが「まだ、ここになにか予定を入れられるな」という気づきになるということです。(82ページより)

「アポの5原則“Five Step”メソッド」ステップ2.

第2ステップは、「日時と場所の設定をする」。ガヤガヤした場所や、周囲の目を気にして話さなければならないような場所では話しにくいもの。お客さまの集中力やモチベーションも削がれてしまいがちです。そこで、日時と場所が重要な意味を持つという考え方です。

ちなみに著者は、相手のご自宅や勤め先の面談スペースが使えない場合に確保する場所がいくつかあるといいます。まずはファミリーレストランやカフェの「面談に向いている席」。次に所属する会社の支社、営業所、研修所など。あるいは友人が勤める会社の会議室や有料の貸し会議室。それでも面談場所がなかったら、最後の手段としてカラオケボックスを利用することもあるのだとか。(106ページより)

「アポの5原則“Five Step”メソッド」ステップ3.

次の原則は、「用件と所要時間を伝える」こと。用件を伝えておけば、ヘンな駆け引きなしに話ができ、現時点で相手が興味を持っていなければ、早く断ってもらうことも可能。相手の立場に立ってみても、最初に訪問目的を話してもらえれば、相応の覚悟と準備をして説明を受けることができるわけです。

所要時間についても同じ。自分の側としては、駆け引きなしにすぐ用件に入りたいからこそ、話をする時間を相手にしっかり確保してもらいたいところ。そうすれば戦略も立てやすく、相手にもある種の真剣さを持って面談に臨んでもらえるといいます。また、お客さまにとってなにがメリットになるか(気持ち)を考えることも大切。(117ページより)

「アポの5原則“Five Step”メソッド」ステップ4.

ステップ4は「アポカード」を渡すことだとか。

「アポカード」とは、

・ アポの日時と場所

・ 当日どんな話をするか(テーマ)

・ 当日に用意していただきたいもの

・ 所要時間

・ 一言メッセージ

などを書いた自作のカードのことです。

(131ページより)

訪問目的や準備しておいてほしいものを書いた「アポカード」を渡すことで相手に意識を高めてもらい、より実りのある話にすることができるということ。お客さまもカードを渡されることで、その面談がより大切なものに思えるのだといいます。(129ページより)

「アポの5原則“Five Step”メソッド」ステップ5.

ステップ5.は、「事前に『確認TELすること』を伝える」。1.から4.までのステップをしっかり踏んでも、このステップを抜かすと、アポのキャンセルやドタキャン、すっぽかしなどの事態を招く確率がぐんと上がるというのです。

でも事前に連絡することを伝え、相手から「いいですよ」と許可をもらっておけば、楽な気持ちで連絡ができるわけです。相手も、連絡することを自分あ許可しているので、しつこいと感じることは少ないはず。むしろ、その行動を「熱心」「きちんとしている」と評価してくれるそうです。(139ページより)

本書の注目すべきポイントは、「こちらの立場」と「相手の立場」の双方から、さまざまなシチュエーションを検証している点。基本的なテクニックが中心ではありますが、そうした客観性が貫かれているからこそ強い説得力が生まれているのです。

メディアジーン lifehacker
2017年6月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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