地理的事情から、沖縄では一般の歳時記とは季節のずれや、動植物の違いが出ることがある。たとえば、通常は〈夏〉の「海開き」が、沖縄では〈春〉になる。また、「うりずん」「若夏」など独特の季語や、慰霊の日(6月23日)があるため、戦争への思いがより強く出る「六月」など、特有の捉え方も。
本書は沖縄の季節感に即した歳時記として10年をかけて編まれ、約2800の季語と、9000以上の例句を収録。ほかに民俗、文化の解説や、気象データ、地図、難読地名一覧も掲載され、沖縄の息吹が伝わってきそうだ。(文学の森・2800円+税)
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