『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方』
- 著者
- Testosterone, 1988-
- 出版社
- KADOKAWA
- ISBN
- 9784046020130
- 価格
- 1,430円(税込)
書籍情報:openBD
40kgの減量に成功した「筋トレビジネスエリート」が伝授する「マクロ管理法」とは?
[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)
『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方』(Testosterone著、KADOKAWA)の著者は、日本のダイエット業界やメディアの無責任さに憤りを感じているのだそうです。「インチキダイエットに踊らされないために必要なのは、本物の知識を身につけること」だとも。具体的にいえばそれは、本書のタイトルにもなっている「最強の食べ方」を知ることなのだとか。
私がみなさんに伝えたい「最強の食べ方」。
その正体は、先に答えを言ってしまうと、「マクロ管理法」である。
聞き慣れない言葉かもしれないが、このマクロ管理法をマスターすれば、健康な肉体を手に入れることができる。そして、食事という投資を迷わず正しく行うことができ、身体という資本を最高の状態に保ち続けることができる。
(「はじめに」より)
でも、マクロ管理法とはどのようなものなのでしょうか? また、具体的にどんなことをすればいいのでしょうか? Chapter 2「筋トレビジネスエリートがやっているたった一つの『基本』」から、その方法を抜き出してみることにしましょう。
世界一シンプルで世界一続く! 最強の「マクロ管理法」
著者によればマクロ管理法とは、性別・身長・体重・年齢、3段階に分けて活動量から算出した1日に摂取すべき総カロリーと、そこから導かれたマクロバランスに沿って食べるだけというシンプルな食事法。必要なマクロ栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質)を指定されただけ食べていくだけで、自然と身体は変わっていくというのです。なお、実践するうえでは、3大栄養素である「マクロ栄養素」を知っておくことが大前提になるといいます。
必要なのはたった5つのステップだけ
なお、マクロ管理法を行う上で必要なのは、5つのステップだけなのだとか。
ちなみにここでは一般の人向けに、もっともシンプルで簡単な設定法を紹介しているすです。それぞれのステップを見ていきましょう。(73ページより)
【マクロ管理法の5ステップ(1) 】1日の基礎代謝を計算する
基礎代謝とは、人間がなにもしなくても消費するカロリーの値。この計算には、アメリカでもっともポピュラーなMD Mifflinの式が使われており、30年近くも使われている優秀で正確な計算式だといいます。
上記の図のとおりに体重と身長、年齢の数値を入れて計算するだけで、1日の活動に最低限必要なカロリー数がわかるのだそうです。(76ページより)
【マクロ管理法の5ステップ(2) 】1日の消費カロリーを計算する
基礎代謝は「なにもせずにじっとしていても消費される」カロリーですが、働いている人が1日中動かないはずはありません。そこで必要になってくるのが、基礎代謝をもとに、活動量も考慮に入れた1日の消費カロリーを割り出すこと。人によって異なる活動量は、3段階の「アクティブ度」に分けて計算するのだそうです。
試しに170cm、60kg、35歳の男性を例にとってみると、計算式は以下のようになるといいます。
仕事の内容や体を動かす習慣があるかどうかによって、消費カロリーには差が出るもの。(79ページより)
【マクロ管理法の5ステップ(3) 】目的ごとに1日で摂取すべき総カロリーを計算する
次にすべきは、ステップ2で算出した1日の消費カロリーをもとに、目的に合わせて摂取すべきカロリー設定を行うこと。なお大きな効果を得たいという人は、この設定を極端に上下させがちですが、それは避けるべきだと著者。なぜなら増量希望の場合、設定値である20%を超えるカロリーを摂取すると、体脂肪の増加に繋がりやすくなるから。反対にカロリーを減らしすぎても、筋肉が減ってしまうというのです。
理想は、±20%。「170cm、60kg、35歳、男性、アクティブ度高め」の場合、1日の消費カロリーは2574.5kcal。小数点以下を切り捨てると、摂取すべきカロリーは上記のようになるわけです。(83ページより)
【マクロ管理法の5ステップ(4) 】目的ごとに各マクロの摂取量を割り出す
マクロ栄養素を算出するために覚えることは次の3つだけ。
1 タンパク質は体重の数値の2倍
2 脂質は総カロリーの25%
3 炭水化物は総カロリーからタンパク質と脂質のカロリー数を引いたもの
(87ページより)
「170cm、60kg、35歳、男性、アクティブ度高め、1日の消費カロリーが2574kcalの人」の場合、減量を目的としたとき、1日の総カロリーは2059kcalに。この2059kcalをベースに、1日に摂取すべきマクロ栄養素を考えてみると、次のようになるといいます。
以上が、「170cm、60kg、35歳、男性、アクティブ度高め、目標:減量の人」が1日に摂取すべきマクロ栄養素になるというわけです。(86ページより)
【マクロ管理法の5ステップ(5) 】あとは食事をするだけ
こうして1日に摂取すべきマクロ栄養素を算出したら、あとはそれに沿って食べていくだけ。このマクロ栄養素が守られている限り、食べる順番や食べる回数、食材その他一切は気にする必要がないのだそうです(理想は5〜6食に分けて食べること)。(91ページより)
冒頭でも触れたとおり、著者はダイエットに成功した実績の持ち主。学生時代は110kgに達する肥満児だったものの、米国留学中にダイエットと出会い、40kg近く減量してみせたというのです。
本書が説得力を感じさせるのは、そんなバックグラウンドがあるから。熱い文体にも不思議な魅力があるので、無理なく読み通せるのではないかと思います。