『花の命はノー・フューチャー』
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むきだしのブレイディみかこ
[レビュアー] 図書新聞
本書冒頭の「文庫版まえがき」だけでも読む&買う価値がある。著者は「若書き」と言うが、この底抜けのすがすがしさ、「どん底」を描いているとは思えない景気のよさは、やはりブレイディみかこの特質だったのだ。その意味で本書で読めるのは「むきだしのブレイディみかこ」である。え? そんなの読みたくない? まあ待て待て。キーワードになるのは「パンク」だ。とはいえ、「子供が大嫌いだ」だの、「おお、みかこよ、こんなこと書いて大丈夫か?」(お前誰だ)と思うフシもなきにしもあらずだが、本書の最後に「先はない。だからいま飲んでおこう。なんとかなる」とあり、ひと安心。人に歴史あり。俺も飲もう。解説を執筆したのはあの栗原康。(6・10刊、三〇六頁・本体七八〇円・ちくま文庫)