江戸時代のベストセラーを一冊に

レビュー

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新版 雨月物語 全訳注

『新版 雨月物語 全訳注』

著者
上田 秋成 [著]/青木 正次 [訳]
出版社
講談社
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784062924191
発売日
2017/03/11
価格
1,782円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

江戸時代のベストセラーを一冊に

[レビュアー] 図書新聞

 現代においても文学や芸術、果てはサブカルチャーにまで多大な影響を与えた江戸時代の怪異譚9篇をコンパクトにまとめた一冊。本書では原文、現代語訳、語文注をそれぞれ収録、文庫本にもかかわらず非常に充実した内容となっている。さらに巻末には訳注者の青木正次による解説や論考、「秋成小伝」を併録し、学術面・伝記面にも対応している。特に解説を読むと、秋成の描く現実と幻想の世界を二項対立として論じたり、図式化して取り上げたりしているので、ただわかりやすいだけでなく、現代の価値観から作品を深く鑑賞することができるつくりにもなっている。単なる怪異譚にとどまることなく、『雨月物語』の現代性について今一度本書を読んで考えてみてはどうだろうか。(青木正次訳注、3・9刊、六〇八頁・本体一六五〇円・講談社学術文庫)

図書新聞
2017年6月24日号(3308号) 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

図書新聞

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