『古生物たちのふしぎな世界』 土屋健著

レビュー

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カラー図解 古生物たちのふしぎな世界 繁栄と絶滅の古生代3億年史

『カラー図解 古生物たちのふしぎな世界 繁栄と絶滅の古生代3億年史』

著者
土屋 健 [著]/田中 源吾 [著]
出版社
講談社
ジャンル
自然科学/天文・地学
ISBN
9784065020180
発売日
2017/06/14
価格
1,296円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『古生物たちのふしぎな世界』 土屋健著

[レビュアー] 塚谷裕一(植物学者・東京大教授)

 夏休みといえば化石だ。恐竜である。本書を手にしてみれば、どのページにも見事な復元図が掲載されていて、読者を魅了する。カンブリア紀の不思議な古生物群・アノマロカリス、多種多様な三葉虫、初めて陸上に上がった魚・ティクターリク。もはや絶滅してしまった古生物たちの世界に、心奪われることだろう。うっかりすると、恐竜が一切出てこなかったことには、気づかないかもしれない。

 恐竜一途(いちず)の子どもたちには、逆にその点で不評の可能性もある。だがうまくすれば、そういう子どもたちが、本書を契機として古生物全体に、さらには生物全体に興味を広げるチャンスとなるだろう。

 文章にはちょっと癖があり、安易に「原始的な」という表現を使いすぎだし、色については情報の乏しい復元図もカラフルすぎるが、それらの不満を補ってあまりある豊穣(ほうじょう)な世界だ。

 講談社ブルーバックス 1200円

読売新聞
2017年7月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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