大手製薬会社係長の藤井賢一は会社の不祥事の責任を取らされ、地方の関連会社に飛ばされる。常務の南田から早期の異動と本社のポストを約束され、妻、倫子ら家族を東京に置いての単身赴任。
だが、その後、異動の話はなしのつぶて、家族ともギクシャクするなか、倫子が傷害致死事件で逮捕される。しかも、倫子が自宅で殺した相手は南田だった。留守宅に何が起こっていたのか…。
やがて衝撃の真相が明らかになり、結末にも驚きの事実が待っている。壊れかけ、冷え切った家族にぬくもりが戻る日はくるか。物語に引き込まれる。(集英社・1800円+税)
-
2017年8月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです