『脱 大日本主義』
書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます
日本の自立と周辺国との共生
[レビュアー] 図書新聞
著者は、民主党政権の首相の座をアメリカと外務・防衛官僚の謀略で追われた鳩山友紀夫。昨年、由紀夫から友紀夫に改名した。祖父の鳩山一郎以降の「友愛」主義にちなんだのだろう。政界引退後も、ロシアのクリミア併合後の訪問や、アジアインフラ投資銀行の国際諮問委員会委員など話題に事欠かない。東アジア共同体は、総理大臣時代からの彼の持論だ。それが、国連常任理事国入りの断念と、原発ゼロにより、日本が「脱」大国主義を選択し、東アジア共同体が可能になると説く。「人間のための経済社会」「成長から成熟へ」「格差と不平等から再分配政策の拡充へ」「公正な社会」「グローバリズム信仰からの覚醒」「日本ナショナリズム扇動への危惧」。内田樹の「解説」も力が入っている。(6・15刊、二三六頁・本体八〇〇円・平凡社新書)