『灯台はそそる』
書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます
灯台を後世まで残すために
[レビュアー] 図書新聞
海辺のシンボルとして誰もが連想するであろう灯台。凜と孤独に海辺に建ち、常に海の安全を守っている。その灯台がいま、絶滅の危機に瀕しているという。省エネや維持管理費削減の趨勢のなか、どう存在価値を見出し後世に残していくか。そのためにはまず灯台ファンが声を上げねばならない。その思いを胸に著者は、灯台の魅力を伝えるべく発信することにした。巻頭のカラー写真による世界各地の灯台写真をみるだけで、外見的な美しさにまず目を奪われる。灯台の歴史、役割、構造、種類といった基礎知識から、鑑賞のポイントまで、灯台の世界への入門書として申し分ない。減少の一途をたどり、いずれは本当になくなってしまうかもしれない灯台の、闇に沈んだ海を照らし守りつづける一筋の光のような一冊。(7・20刊・二二〇頁・本体九二〇円・光文社新書)