『夜の絶景写真 花火編』
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<東北の本棚>撮影のこつ、丁寧に解説
[レビュアー] 河北新報
夜空を染め上げ、はかなく消える花火。「感動を記録に」とカメラを構えても、思い通り写るとは限らない。花火写真の第一人者である著者が、必要な機材から技法、花火大会別の対策に至るまで豊富な写真を付けて分かりやすく紹介した。
「大曲の花火」として知られる全国花火競技大会などはカメラマン用有料席を用意しているが、ない場合も。公式サイトやガイド本で調べることから準備を始める。
一眼レフカメラと三脚に加え、カメラと外付けのスイッチをつなぐケーブルレリーズを用意する。手ぶれを防ぐため必要だ。
会場に着いたら明るいうちに場所を確保する。近くの人に花火が上がる方向を教えてもらい、カメラをセットする。単発の花火と連発式のスターマインで明るさが違うので絞りや感度を調節する。
日没後の数分から数十分の間、空が深い青色になる時間帯は「マジックアワー」と呼ばれる。東京スカイツリーと隅田川花火大会を組み合わせるなど、夜景と華やかな花火をマッチさせたい時にお薦めの時間帯だという。
シャッターを押すタイミングやピントの合わせ方を細かく解説。大胆にトリミングして現代美術風の作品に仕上げたり、スマートフォンで手軽に撮ったりする方法にも触れる。巻末には花火大会ごとに著者が撮影した自慢の絶景写真を収めた。撮影のこつや場所まで手の内を明かす。
本書は「夜の絶景写真」と題するシリーズの工場夜景編に次ぐ第2作。
著者は1959年秋田県美郷町生まれ。「花火の図鑑」「日本の花火はなぜ世界一なのか?」などの著書がある。
インプレス03(6837)5016=2160円。