『浮浪児1945‐』
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「がむしゃら」に生きろ
[レビュアー] 図書新聞
あなたは、いや、私は、最近「がむしゃら」に生きているだろうか。そう問わずにはいられない一冊。例えば自分が五歳で、身内と離別し、家を焼かれ、着ているものもボロボロになった状態で投げ出されたら、どうなるか。まあ、まずは生き延びられないだろう。しかし、その状態でしか生きることを許されなかった子供たちが「先の戦争」によって生まれた、生きさせられた。そして不幸にして少なくない子供たちが路上で死んでいった。しかし本書には不幸で暗い話ばかりが入っているわけではない。そんな状態だからこそ、一瞬の、あるかなきかの、崇高でさえある人間と人間の関係が閃光のようにきらめく。戦後七二年、私たちは「本当に」幸せになったのか。本編最後の写真を見て思う。(8・1刊、三四六頁・本体五九〇円・新潮文庫)


























