『詳説 世界の漢字音』大野敏明著

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『詳説 世界の漢字音』大野敏明著

[レビュアー] 産経新聞社

 漢字は約3000年前、中国の黄河流域にあたる「中原(ちゅうげん)」で生まれ、現在、世界の4分の1、約16億人が使っている。では、同じ「愛」でも、なぜ国や地域によって発音が異なるのか。本書は日本、韓国、中国(北京、上海、福建、広東)、ベトナムの各音の違いから、漢字文化の流れを分析した世界初の解説書である。

 漢字音の変化には一定の法則があり、それを読み解くことで文化の流れが理解できる。例えば、日本音とベトナム音の類似から、古代の漢字音を類推することも可能なのだという。また、共通の漢字音を知ることで語学の勉強にも役立つという。(慧文社・4000円+税)

産経新聞
2017年9月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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