【児童書】『天女かあさん』ペク・ヒナ作、長谷川義史訳

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天女かあさん

『天女かあさん』

著者
ペク・ヒナ [著]
出版社
ブロンズ新社
ISBN
9784893096364
発売日
2017/08/26
価格
1,540円(税込)

【児童書】『天女かあさん』ペク・ヒナ作、長谷川義史訳

[レビュアー] 横山由紀子

 ■リアルな粘土人形の実写絵本

 仕事と子育てに奮闘する母親にとって、子供の急な病気は切実な問題。それは韓国でも同じだ。

 ソウルで仕事中のお母さんのもとにある日、息子のホホが発熱で学校を早退したという知らせが入るが、なかなか職場を離れられない。誰かにホホのことを頼もうとかけた電話につながったのは、なんと天女。雨降りの空からファニーフェースの天女が舞い降りて、ホホに「きょうはわたしをかあさんとおもいなはれ」と告げるのだが…。

 韓国で大人気の女性絵本作家が手作りした、リアルでユーモラスな粘土人形の実写絵本。高熱で真っ赤になった頬や鼻、ゆがんだ眉、潤んだ瞳など、人形の豊かな表情にくぎ付けになる。

 韓国や日本で話題を呼んだ『天女銭湯』に続く天女シリーズの第2弾。今回も絵本作家の長谷川義史さんが翻訳を担当しており、天女のとぼけた大阪弁が何とも味わい深い。働くお母さんの思いに寄り添い、優しく包み込んでくれる一冊だ。(ブロンズ新社・1400円+税)

 横山由紀子

産経新聞
2017年10月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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