自殺は美しくなければならない

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青少年のための自殺学入門

『青少年のための自殺学入門』

著者
寺山 修司 [著]
出版社
河出書房新社
ISBN
9784309408095
価格
540円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

自殺は美しくなければならない

[レビュアー] 図書新聞

 アングラ演劇界の寵児、詩歌界の鬼才等々、六〇・七〇年代に圧倒的な人気を博した寺山の自殺に関するエッセイ集だ。ここでは現代問題視されているイジメによる少年少女たちの自殺や、借金苦によって首を吊るような事件は自殺に入らない。これらは社会や政治による他殺だからだ。寺山の考える自殺は、人間の尊厳や思想、夢を実現するものとしてある。だから美しくなければならないし、崇高でなければならない。それにふさわしい音楽や場所、場面、遺書の書き方まで例示してくれている。いずれにしろ戦前・戦中に青森の片田舎で過ごし、上京し高度成長に乗って一時の夢を紡いだ。やがてモノ、カネ中心の世知辛い世界の到来と共に夢の萎んでゆくのを予感しつつ亡くなった寺山の夢のような書である。(9・20刊、一六〇頁・本体六四〇円・河出文庫)

図書新聞
2017年9月23日号(3320号) 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

図書新聞

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