ブックセンターササエ古川駅前大通店「知るべき歴史」【書店員レビュー】

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ブックセンターササエ古川駅前大通店「知るべき歴史」【書店員レビュー】

[レビュアー] ブックセンターササエ古川駅前大通店

 引き取り手のない7万人もの被爆者の遺骨が眠る場所。それは広島の平和記念公園の片隅にある。そこにある原爆供養塔を長年にわたり守り続け、納骨名簿を独力で作成し、遺骨を家族のもとへ帰していく作業をひとり続けてきた女性、佐伯敏子さん。彼女は何故にそこまでして自らの人生を原爆供養塔を守る事に捧げてきたのか。あの日、広島で起きた事。その後、ずっと続いてきた原爆、戦争による深い哀しみ。語られる事実のひとつひとつが重すぎて冷静に読む事が難しく、最後まで読み切るのが辛く苦しくなるはずです。でも、私達は知っておけなければいけない。「知った者は歩き続けなくてはならないのよ」「自分ひとりでも、知ったものの責任として伝えていかなきゃね。」…そんな本文中の佐伯さんの言葉が頭から離れません。2016年 第47回 大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品。

トーハン e-hon
2017年8月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

トーハン

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