【聞きたい。】高田雅彦さん 『成城映画散歩』

インタビュー

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成城映画散歩

『成城映画散歩』

著者
高田雅彦 [著]
出版社
白桃書房
ISBN
9784561510970
発売日
2017/06/26
価格
2,970円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

【聞きたい。】高田雅彦さん 『成城映画散歩』

[文] 産経新聞社


高田雅彦さん

■「東宝見聞録」から出版へ

 今ではすっかりお屋敷街のイメージが強い東京・成城だが、かつては「日本のハリウッドかつビバリーヒルズ」だった。

 「本には50作品しか載せていないが、成城で撮影された映画はあと100本はあります。以前は下町っぽいところもあって、実写の『サザエさん』シリーズはほとんどが成城で撮られている。サザエさんに合う街だったんです」と多様な街だったことを強調する。

 成城が映画の街になったのは、東宝撮影所の存在が大きい。黒澤明監督の「七人の侍」は、撮影所近くの広大な土地にセットを組んで撮影したのは有名な話だが、どの映画のどのシーンがどこで撮られたのか、スチル写真に現在の風景も併せて事細かに解き明かす。

 大半を占めるのはやはり東宝の作品だ。4歳のときに見た「或る剣豪の生涯」(稲垣浩監督)と「日本誕生」(同監督)以来、東宝映画のとりこになった。生まれ育った山形市内の歩いて2~3分のところに東宝系列の劇場があり、祖父母に連れられて通い詰めた。

 「東宝映画って都会的でスマートなんですよね。なにせ『明るく楽しいみんなの東宝』でしたから」

 映画の道に進むことも考えたが、すでに映画産業は斜陽だった。せめて撮影所のある街に、と成城大学に進学。卒業後も成城学園に勤務しながら、東宝映画の視聴メモをつけ続けた。この「東宝見聞録」が今回の出版に結びついた。

 残念ながら、最近はほとんど成城映画にお目にかからない。「撮影所システムが崩壊してしまったし、住民の理解も得にくいのではないでしょうか」

 スターが居を構える「日本のビバリーヒルズ」の側面は今も変わらない。表紙裏のロケマップには、三船敏郎や高峰秀子の邸宅跡なども載っているが、「さすがに過去だけにしました。現在のは公開できません」とほほ笑んだ。(白桃書房・2750円+税)

 藤井克郎

   ◇

【プロフィル】高田雅彦

 たかだ・まさひこ 昭和30年、山形市生まれ。成城大学経済学部卒業後、成城学園に就職。現在は学園内外での講演や映画文筆活動などを行っている。

産経新聞
2017年10月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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