文芸春秋で雑誌編集や、芥川賞・直木賞の運営などにも携わり、出版ジャーナリズムに半世紀身を置いた著者が、出会った著名人ら100人以上との交遊、教えられた「義」と「情」をつづる。
宮尾登美子、夏樹静子ら多くの作家たちから信頼され、名作誕生にも立ち会った秘話、パーティー会場で触れた川端康成の華奢(きゃしゃ)な背中、2人でたき火に当たり、感じた田中角栄の「磁力」、原作者の代理で映画化交渉をした黒澤明との歓談…。
著者の人柄、観察眼ゆえ得られた著名人の「知られざる貌(かお)」が垣間見え、引き込まれる。(青志社・1300円+税)
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2017年10月29日 掲載
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