意地悪とは何か-。古典文学から現代映画まで、芸術に幅広い知識をもつ著者が、樋口一葉や夏目漱石、メリル・ストリープらが作品のなかに仕掛けた意地悪の技術と、その効用を解説した。
単なる悪口や暴力とは違い洗練さを必要とするため、意地悪は人間関係を円滑にすると説く。学校教育に悪口を言う練習を導入せよとの極論も。
〈私の書いたもののなかで、最も内容のないもの〉と意地悪く記すが、ネット上で悪口があふれ、ヘイトスピーチが蔓延(まんえん)する現代社会の生きにくさ、攻撃的な部分を緩和する方策が示されている。(集英社新書・760円+税)
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2017年11月5日 掲載
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