<東北の本棚>皆と同じでなくていい
[レビュアー] 河北新報
日々の暮らしの中で、何となく続けている習慣やしきたりをやめることの効用を、親しみやすい漫画で表現した。
急に雨が降るとついビニール傘を買い、家にたまる。観葉植物を買うたびに枯らしてしまう。年を重ねるにつれ髪形を変えなくなる-。惰性や軽い気持ちで続けてきたならわしは誰にも思い当たるはずだ。
ビニール傘の購入をやめ、折り畳み傘を持ち歩くことに。すると、天気予報を気に掛け、四季折々の行事を楽しむようになった。
常連だった美容室でスタッフが代わり、数年続けた髪形をがらりと変えた。「大変身」に心が弾み、行動的になった自分に気付く。
昨年発刊し、話題になった「やめてみた。」の続編として、実体験に基づくエピソードを紹介した。ありふれた事例ながら、「人は生きながらにして生まれ変わることができる」といった言葉が印象に残る。
「生きづらいと感じる時は怖がらず、『こうあるべきだ』と思っていることを手放してほしい。皆と同じでなくていい、自分らしく生きられると気付くことができる」と著者は言う。
著者は1975年尾花沢市生まれ。31歳で漫画家デビュー。代表作に「スリム美人の生活習慣を真似(まね)したら、1年間で30キロ痩せました」などがある。
幻冬舎03(5411)6211=1080円。