ハリウッド映画史を通覧するには本書から
［レビュアー］ 図書新聞
旧版は二〇〇一年刊。新版はデジタル化の流れも押さえ、誕生から現在の栄枯盛衰を活写。先日、セクハラ騒動で話題を呼んだワインスタインはミラマックス創設者。「大学での自主上映会の仕切りから発展して独立系作品の上映・配給を次第に手がけ、八〇年代、着実に成長を遂げていったミラマックスは、八九年に『セックスと嘘とビデオテープ』（スティーブン・ソダーバーグ）を扱った際……」。いま思えば、この作品名が意味深。新書ながら間然するところのない一冊で、ハリウッド映画史を通覧するにはまずはこれから。「斜め目線でいうならば、イーストウッドの作家性をむやみやたらにブランド化する日本の風潮はあまり好みません」という見解に激しく同意。（７・１５刊、三四〇頁・本体九〇〇円・平凡社新書）
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2017年11月4日号（3325号） 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
