『ノーマンズランド』
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『ノーマンズランド』刊行記念インタビュー 誉田哲也
[文] 誉田哲也(作家)
姫川玲子(ひめかわれいこ)シリーズ九作目となる『ノーマンズランド』は、
〈ジウ〉サーガとのコラボで大きな話題となった前作『硝子の太陽R』に続いて、
複雑な背景を持った難事件に玲子が挑む、重厚な一作となった。
新たなキャラクターも登場し、深化するシリーズの現在地を、
著者旧知のインタビュアーに訊きだしてもらった。
インタビュアー=友清哲
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なぜか隠蔽される被疑者に、玲子が動き出す!
――姫川玲子シリーズ、待望の最新刊です。前作『硝子の太陽R』から一年半ぶりのリリースとなる『ノーマンズランド』。まずは今回の着想から教えてください。
誉田 最初に頭の中にあったのは、今からおよそ十年前に体験した、某警察署での出来事でした。地域活動の一環で訪ねたのですが、その署では、取調室内の声が丸聞こえだったんです。刑事ドラマでよく見かける、被疑者を怒鳴りつけるような取り調べの様子が、生々しく伝わってきました。もちろん、どういう事件の被疑者なのか詳細はわからないのですが、それでも激しいやり取りが印象的で、年月を経てひとつのインスピレーションに繋がっています。
――確かに今回、物語の序盤で、ある人物の取り調べシーンが描かれています。
誉田 最近では少しずつ取り調べの可視化が進められていますから、僕が耳にしたような厳しい尋問はもう行なわれていないと思いますが、当時はどこもあれくらい厳しく取り調べるのが普通だったのでしょう。
――警察ミステリーを取り巻く環境も、時代と共に変化しているわけですね。
誉田 そうですね。数年前には取り調べを受けていた少年が自殺してしまった事件が問題になりましたし、そもそも無理やり自白させたとしても、裁判でひっくり返されてしまっては意味がないですから、これも当然の流れなのでしょうけど。
――さて、今回の『ノーマンズランド』でも、玲子の前に難解な謎が立ち塞がります。彼女の捜査が難航すればするほど物語が盛り上がるのは、最早このシリーズのひとつの特徴と言えそうです。
誉田 これは玲子に限らず、エンターテインメントの主人公とはそうあるべきだと僕は考えているんですよ。主人公とは何らかのハードルを越えるべき存在で、それを乗り越えた先に、読者の心に刻まれる何かがある、それが僕にとって理想的な小説の構造です。もっとも、ハードルが必ずしも大掛かりな殺人事件である必要はないですし、玲子ほど追い込まれる必要もないんですけど(笑)。
――物語の発端は、都内で起きた若い女性の殺人事件。別の所轄で有力な被疑者が確保されているにも拘わらず、なぜか情報が得られない状況に、不穏なものを感じ取った玲子がその背景を探り出す――というのが今回のあらすじです。しかし、他にも複雑な事情が絡み合っており、どのパートを話題に挙げてもネタバレになりそうなのが悩み所です。
誉田 そうですよね。先ほどお話しした取り調べシーンは、あくまで端緒のひとつに過ぎません。書き進めるうちに膨らんでいった要素も多く、また、期せずして時事的な話題にも深く関わっています。でも読者の皆さんには、あまり深読みすることなく、いつもの玲子シリーズの一作として、自然体で楽しんでいただきたいですね。
犬猿の仲だった日下(くさか)と玲子のコンビプレイも!?
――前作までに姫川班の再結成がなされ、菊田(きくた)や葉山(はやま)らお馴染みのキャラクターも登場する今回の作品。しかし、チームとしての行動よりも、多彩な人物がそれぞれの視点で動きまわる構図が印象的でした。
誉田 確かにそうかもしれません。ただ、姫川班というのは実は、皆さんが感じているほど密に連携しているわけではないんですよ。ドラマのイメージが強いためか、いつもチームでまとまって捜査にあたっているように思われがちですが、過去のシリーズを振り返ってみても、そろって居酒屋でワイワイやるシーンはあっても、常にべったりと行動を共にするようなチームではないはずですよ。それに、玲子はもともとスタンドプレーに走るタイプですしね。
――姫川班とは、あくまでも組織内における指揮系統としてのユニットである、と。
誉田 とくに現在の新生・姫川班のメンバーは、今のところさほど仲良しなわけではないですからね。それでも、中松(なかまつ)は菊田の先輩だし、日野(ひの)はイヤミなキャラではあってもやることはちゃんとやるタイプだし、小幡(おばた)はやや抜けているところがあるけど玲子のことが大好きだし、それなりに機能するユニットではあると思います。そうした顔ぶれの中で、チームとして最低限の連携がなされた上で、最終的には主人公である玲子にゴールを決めさせてやりたい気持ちがあります。
――また、玲子とは犬猿の仲である上司の日下ですが、今回は両者が少し歩み寄って捜査を進めている点が印象深いです。二人は案外いいコンビなのでは?
誉田 どちらかといえば、日下が一方的に歩み寄った形ですけどね。ただ、反発し合いながらも何年か一緒にやってきたことで、互いに理解を深めたところはあるのでしょう。だからといって、なあなあの関係になることはあり得ない二人ですから、日下にしてみれば「もう、こいつ(玲子)を使いこなさなければしょうがねえな」という気持ちなんじゃないですか(笑)。二人の上に、山内(やまうち)というクセの強い上司がいることも、両者のパートナーシップを深めた一因だと思います。
――嫌いな上司を前にしたことで、「敵の敵は味方」の状態が生まれたわけですね。
誉田 その通りです。今回の作品でも少し匂わせていますが、きっと山内と日下の間にも、過去に何かがあったんですよ。ちょっとした確執に繋がる出来事が。そのあたりはまた、短編などでお見せすることになると思います。
――直感的で行動力あふれる玲子と、常に冷静沈着で頭脳明晰な日下。この二人がさらに歩み寄れば、非常に強力なコンビが出来上がるのではないかと期待するファンも多そうです。
誉田 うーん。残念ながら、それはあまり考えられないと思うんですよ。なぜなら、玲子は日下の顔が嫌いだから(笑)。至近距離で直視したくないほど、生理的に嫌悪感を覚えるような相手なので、今回くらいの関係性が精一杯なのではないでしょうか。
――玲子の嫌いなキャラといえば、ガンテツこと勝俣(かつまた)も忘れてはいけません。今回は勝俣の知られざる“裏事情”に触れる一幕も……。
誉田 勝俣というのは警察組織の中でもちょっと不思議な立場で、年次に見合った役職に就いているわけでもないのに、なぜあれほど力を持っているのか、ずっと謎めいたところがありました。その点に関して、そろそろ種明かしの準備を始めたいと思い、謎に包まれた勝俣のネットワークに触れました。彼ほど、どこと繋がっているかよくわからない人間もいませんからね。
――今回、直属の部下である葉山が、勝俣の行動を探ろうと尾行するシーンもありました。やはり皆、彼の素性が気になっているんですね。
誉田 そうですね。勝俣については今後もいろいろあると思いますが、少なくとも彼は、どれだけ窮地に追い込まれても、まず死ぬようなことはないでしょう。たとえ地球が滅亡しても生き残るタイプですから(笑)。
――そんな勝俣も、設定ではもう五十五歳です。玲子シリーズにとって、なくてはならないキャラですが……。
誉田 そう、実は定年退職も近づいて来ているんですよね。ドラマ版ではもっとご年配の武田鉄矢(たけだてつや)さんに演じていただいたので、五十五歳と聞いて「思ったより若い」と感じる読者も多いでしょうが、彼なりにそろそろ今後の身の振り方を考えているかもしれませんね。
新登場のプレイボーイ検事、武見諒太(たけみりょうた)の今後
――そして今回の大きな見所のひとつは、なんといっても新登場の武見諒太でしょう。東京地方検察庁所属のこのイケメン検事は、捜査上のカギを握るだけでなく、玲子との今後の関係性においても重要なキャラとなりそうですね。
誉田 どのような見せ場があるのかはわかりませんが、武見が今後も引き続き登場するキャラであるということは、明言しておきます。今回、武見と勝俣に何らかの繋がりがあることを示すシーンを盛り込みました。おそらく、過去に二人の間でろくでもない出来事があったに違いありません。両者がどういう関係なのか、そして一体何があったのか、これもまた今後の作品の中で明かしていくつもりです。
――非常に存在感のあるキャラだけに、シリーズの先行きが楽しみです。こうして新たなキャラクターを設定する際、何か気を配っていることはありますか?
誉田 とくに決め事などはないですね。僕の場合はキャラを“創る”のではなく、“出会う”感覚に近いので。座長として、そのポジションに適した役者を探すようなものですね。ただ、武見の場合は当初、イメージが固まりきらなくて少し苦労しました。頭の中で複数の俳優をモデルに設定してみて、ようやく動かしやすい人物像に落ち着いたのが今の武見です。
――一見、いけ好かない色男という雰囲気の武見ですが、物語の進行に合わせ、次第にその実力を発揮し始めます。玲子としても物語の最初と最後では、彼に対する認識が大きく異なっているのではないですか。
誉田 そうでしょうね、武見のことはけっこう気になっていると思いますよ。刑事と検事という関係上の意味でも、一人の男性としても……。
――そうなると、やはりお聞きしたくなるのが玲子のプライベートです。彼女もシリーズと共に年齢を重ね、今回も自身を「独身女」と揶揄(やゆ)するようなシーンが見られましたが。
誉田 玲子も三十五歳になるわけですからね。同世代の女性が次々に結婚していく状況に、多少なりとも焦りがあるはず。それに、今も身近にいる菊田が妻帯者であることも大きいでしょう。嫌でも結婚や年齢を意識させられる機会は多いはず。先のことは僕にもわかりませんが、事件や捜査の顛末と合わせて、楽しみにしていてください。
「政治」という題材の在り方について
――ところで、前作『硝子の太陽R』に続き、玲子シリーズでは最近、現実の政治情勢などを題材に取り入れるケースが多いように感じます。作家としてのスタンスに何か変化はありますか?
誉田 これは結果的にそうなっているだけで、意識してやっていることではないんです。実際、玲子シリーズ以外の作品に目を移せば、『ハング』や『国境事変』など、もともと政治的なテーマを扱うことは多かったので。ただし、いずれも自分の意見や考え方を押し付けることが目的ではなく、エンターテインメントの中で現実の問題に触れることで、読者の皆さんがそれについてあらためて考える、ひとつのきっかけになればいいなと思っています。たとえば『幸せの条件』で取り上げた食料自給率にしても、「食料自給率が四〇%しかない日本はやばい」と闇雲に騒ぎ立てるのではなく、その本質に目を向けるべき。そもそも食料自給率というのは、一切の輸入をストップすれば自然に一〇〇%になるわけですから、数字に惑わされがちな現実に疑問を感じます。
――物語を通して、一人ひとりに問題意識を持たせたい、と。
誉田 そうですね。最近でこそ北朝鮮周辺が騒々しいので、黙っていてもニュースが飛び込んでくる状況ですけど、多忙な日常生活の中では余程のことがないかぎり、拉致問題も豊洲(とよす)移転問題も思考から徐々に薄まってしまいます。そうしたつい看過しがちな問題について、「最近ちょっと忘れてないですか?」「ここらで少し考えてみませんか」と、カジュアルに声をかける感覚に近いですね。
――なるほど。『ノーマンズランド』では政治や国家の問題が巧妙にストーリーの本筋と融合し、非常に読み応えがありました。
誉田 玲子シリーズ自体は、そういったテーマを持ち出さなくても、ひとつの殺人事件があれば成立するわけですから、あくまで主題とはまた別の部分でこうした現実の話題を取り上げています。ただ、政治に対して関心があるのは事実なので、今後も様々な作品で題材のひとつとして使っていくことになるでしょう。もっとも、その「政治」というのがどこまでの範囲を指す言葉なのかは、慎重に考えたいところですが。
――それは具体的にはどういうことでしょう?
誉田 政治家の仕事というのは、法律を作る、あるいは法案を通すことですよね。その意味では、自衛隊の在り方を考えることだって、立派に政治の範疇と言えます。その一方で、政治家側にとっては自身が政治家であり続けるために、選挙期間中にせっせと名前を連呼し、ウケのいい政策をアピールすることもまた、政治活動のひとつです。そういう部分については、僕はまったく興味が湧かないんですよ。
――今回も現代と過去、二つの時間軸に跨って、ある国家間の問題を扱っています。こうしたシビアなテーマを取り上げる上で、配慮している点なども?
誉田 強いて挙げれば、誰もが知る一国の宰相であっても、個人名では登場させないことでしょうか。たとえば日本の政治家を描く際、わかりやすいモデルを想定していたとしても、露骨に名前を似せたりはしないですね。そのあたりはフィクションとして一線を引いているというか、ちゃんと忖度(そんたく)しています(笑)。
――タイトルの『ノーマンズランド』にも、意味深なものを感じます。こちらの由来は?
誉田 これも憲法論議に踏み込んでしまうのですが、時に「押し付け憲法」などと揶揄される今の日本国憲法について考えてみた時、随所に瑕疵(かし)があるのは事実だと思うんです。拉致問題や尖閣(せんかく)問題などを政府が自ら解決できないのも、この憲法によるところが大きいと考える人も多いわけですから。そうなると、日本という国の本当の持ち主は誰なのか、という疑問にも通じてきます。「ノーマンズランド」とはもともと、戦争によって生じた空白地帯を意味する言葉。厳しい見方をすると、日本はまさしくノーマンズランドの状態にあるのではないかと疑問に思い始めたのが、このタイトルを思いついたきっかけでした。読んでいただければわかる通り、今回はそのあたりに端を発する事件を扱っています。ここでもやはり、「ここらで少し考えてみませんか」という思いを込めているわけです。
気になるシリーズの今後は?
――さて、これがシリーズ九作目となります。今後について、差し支(つか)えのない範囲で教えていただけないでしょうか。
誉田 前作は〈ジウ〉サーガとの連動企画で、いわばイレギュラーがありましたから、ここ最近は短いスパンで玲子を描き続けている気がしています。このシリーズは外伝的な作品集であった『感染遊戯』を除き、基本的に長編・長編・短編というサイクルを繰り返していますから、『硝子の太陽R』、『ノーマンズランド』と長編が続き、次は短編集の準備を進めることになります。過去の短編集では、『シンメトリー』も『インデックス』も玲子視点の物語が中心でしたが、今度はより多彩なキャラの視点で物語を用意するつもりです。たとえば勝俣や菊田、あるいは新たに登場した武見など、脇を固めるキャラの事情を描いたり、彼らから見た玲子の姿をお伝えできればいいなと考えています。
――つまり玲子シリーズは、長編作品で物語の幹を描き、短編作品で枝葉を補足する手法で成り立っているんですね。
誉田 これはエピソードを補足する意味合いよりも、『ストロベリーナイト』や『ソウルケイジ』で扱ったような大事件ばかり起こるのは、不自然ではないかという気持ちのほうが大きいですね。リアリティを考えれば、いくら捜査一課の刑事とはいえ、年がら年中、世間を震撼させるような事件ばかり追っているわけではなく、地味で小さな案件だってたくさん扱っているはず。そういった“小ネタ”を通して表現できるものもあると思いますし。
――それはたとえば、玲子のちょっとした日常などでしょうか。
誉田 そうですね。玲子の私生活や仲間とのやり取り、あるいは彼女にも暇を持て余すような時間だってあるでしょう。長編では描かれにくい一面をお見せするのに、短編はいい機会だと思います。それに、いろんな意味で短編では実験的なことがやりやすく、たとえば近々、アマゾンのキンドルで作品を発表するプランもあるんですよ。
――なるほど。誉田さん自身にとっても実験的な機会であるわけですね。
誉田 そして玲子にも、まだまだいろんなことをやらせたいと考えています。シリーズとして事件を重ねていく上で、マンネリにならないよう毎回目先を変えようとすれば、時に思わぬ方向に進むこともあるでしょう。この先に何が待っているのかは、僕自身にもわかりません。ただ、玲子自身もいわゆる「いい事件」を求めているのは間違いないでしょうから。
――玲子が考える「いい事件」とは、どのような事件を意味するのでしょうか。
誉田 これは被害者や犠牲者がいる事件に対しては、決して好ましい言葉ではないのかもしれませんが、実際に現場の刑事さんもよく使う表現なんです。彼らにとっての「いい事件」とは、自分が最大限に貢献でき、しっかりと解決に導ける事件のこと。世の中を釘付けにするような派手な事件が起これば、解決のためにいっそう燃えるのが刑事なわけです。その意味では僕自身、様々な作品を書く中でも、玲子にはできるだけ「いい事件」を任せてやりたい思いがありますね。もっとも、どれだけ派手でも解決できなければ意味がないのですが。
――まだまだ、アイデアが尽きることはなさそうですね。
誉田 いえいえ、アイデアなんてもう、頭の中には一つも残ってないですよ(笑)。次のネタが浮かばず、困ってしまうこともよくあります。ただ、自分の中で妙な割り切りがあって、特定のテーマの資料本を十冊も読めば、一本くらい小説を仕上げることはできるだろうと、高をくくっているところがあるんです。その点、大きな書店へ足を運べば、フロア中、見渡すかぎり本が陳列されていますからね。「これだけ本があるなら、片っ端から読んでいけばそうそうネタに困ることはないだろう」と、安心していられるんです。問題は、ただ書けばいいわけではなく、できるかぎり面白く良質なエンターテインメントに仕上げなければならない点ですが……。
――まさしく産みの苦しみ。その連続が、今日の玲子シリーズに繋がっているわけですね。
誉田 これまでもそうですし、今後もそうでしょう。僕は無神論者なせいか、ただ待っていても小説の神様が降りてくるようなことはないんです。だから結局、良いアイデアに巡り合うためには、そうしたアイデアをひねり出す苦しみとしっかり対峙しなければならないのですが。でも読者の皆さんには、そんな作家の苦労などは度外視して、いつも通り純粋に今回の『ノーマンズランド』を楽しんでいただきたいですね。
――玲子の今後にも、シリーズのこれからにも、ますます期待しています。本日はありがとうございました。
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誉田哲也(ほんだ・てつや)
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞。2003年、『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。2006年刊行の『ストロベリーナイト』に始まる〈姫川玲子シリーズ〉は、現在の警察小説ムーブメントを代表する作品のひとつとして多くの読者を獲得し、映像化も話題となった。『武士道シックスティーン』『プラージュ』など、作風は多岐にわたる。脱力系青春小説『世界でいちばん長い写真』が映画化され、2018年公開予定。本作に続く姫川玲子シリーズの最新短編は、Kindle Singlesで近日発売予定。