サッと読めるが、味わい深い一冊

レビュー

4
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戦争と農業

『戦争と農業』

著者
藤原 辰史 [著]
出版社
集英社インターナショナル
ジャンル
社会科学/社会
ISBN
9784797680157
発売日
2017/10/06
価格
778円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

サッと読めるが、味わい深い一冊

[レビュアー] 図書新聞

 『トラクターの世界史』(中公新書)を刊行したばかりの藤原辰史氏の新書。藤原氏の文章はいつも読みやすいが、本書は講義をもとにしているので、なおさら読みやすい。本書冒頭にこうある。「この本では、(略)食べる現場、そして、食べものを生み出す農業がどんな不自然な状況になっているのかについて考え、食から見た世界のアンフェアな仕組みを明らかにしたいと思います」(P10)。そしてタイトルは「戦争と農業」である。ここから既に本書のかたちが見えている。本書には綺羅星のような言葉や「考えるヒント」がちりばめられている。「歴史の原動力に胃袋がある」とか、「宰相」の「宰」の字の意味などなど。サッと読める本だが、その味わいは深い。ゆっくりと熟読玩味したい一冊。(10・11刊、二〇六頁・本体七二〇円・インターナショナル新書)

図書新聞
2017年12月2日号(3329号) 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

図書新聞

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