宮部みゆき エッセイ「新たな形でこの巨人に向き合う喜びと畏れ」―作家生活30周年記念・秘蔵原稿公開

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  • 山本周五郎長篇小説全集 第一巻 樅ノ木は残った(上)
  • 山本周五郎長篇小説全集 第二巻 樅ノ木は残った(下)
  • 山本周五郎長篇小説全集 第三巻 さぶ
  • 山本周五郎長篇小説全集 第四巻 小説 日本婦道記
  • 山本周五郎長篇小説全集 第五巻 柳橋物語・むかしも今も

書籍情報:版元ドットコム

新たな形でこの巨人に向き合う喜びと畏れ

[レビュアー] 宮部みゆき(作家)

宮部みゆきさん「山本周五郎長篇小説全集」刊行記念に寄せた言葉です。

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新たな形でこの巨人に向き合う喜びと畏れ

 私が初めて出会った山本周五郎の作品は、『赤ひげ診療譚』でした。中学一年になったばかりのころだったと思います。そのころ覚えた感動と、年月を経て再読してから覚える感動に、大きな差異がないことに驚かされます。同時に、感動を覚えるポイントが変わっていることにも驚きます。

 今回の全集には、丁寧な脚注がついています。現代の読者に、より望ましい環境で提示される山本周五郎の世界。新たな形でこの巨人に向き合う喜びと畏れを、私もまた、多くの方々と分かち合いたいと思っています。

新潮社 波
2013年4月号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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