<東北の本棚>味わい深い秀峰へ導く

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日本百低山

『日本百低山』

著者
日本山岳ガイド協会 [著]
出版社
幻冬舎
ISBN
9784344031562
価格
1,404円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

<東北の本棚>味わい深い秀峰へ導く

[レビュアー] 河北新報

 山の価値は高さだけではない。全国には味わい深い低山もある-。そんな趣旨で日本山岳ガイド協会が47都道府県から選んだ百山を収容する。標高は270~1827メートルとさまざまだ。
 東北からは名久井岳(青森)姫神山(岩手)泉ケ岳(宮城)森吉山(秋田)経ケ蔵山(山形)二岐山(福島)など計12山を紹介する。
 青森県南部地方の秀峰、名久井岳(三戸町、南部町)は標高615メートル。南部小富士とも呼ばれる。国の特別天然記念物ニホンカモシカが一帯に生息し、西の山麓には月山信仰を今に伝える月山神社が建つ。山頂の展望を楽しむなら紅葉の時季。随所に急傾斜もあり、登山難易度は中級レベルという。
 庄内平野の東の一角に位置する経ケ蔵山(酒田市)は474メートル。その名は山頂付近の経塚に由来し、平安末期の物といわれる経典が納められている。歴史を秘めた里山だが、登山口からすぐに急な尾根に取り付く。「序盤はばてないようにじっくり登ることが肝心」と助言する。
 二岐山(福島県天栄村、下郷町)は男岳(1544メートル)と女岳(1504メートル)からなる双耳峰だ。江戸時代後期の代表的画家、谷文晁の「日本名山図会」にも描かれた。中腹は平たん地で、ブナやアスナロの大木があちこちに見られる。山麓にある秘湯、二岐温泉が登山の疲れを癒やす。
 本文に加えて登山へのアドバイスを伝えるガイドの目、参考タイム、ルート図を付けていざなう。
 2016年に制定された「山の日」に合わせ、共同通信社が15年から2年間配信した記事をまとめた。
 幻冬舎03(5411)6222=1404円。

河北新報
2017年12月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

河北新報社

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