『いのちを紡ぐ』
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アウグスティヌスからマザー・テレサまで
[レビュアー] キリスト新聞社
46人の聖人の代表的な言葉と共に、その生涯を簡潔にまとめた「聖人紹介」本。4世紀のアウグスティヌスから、列聖されたばかりのマザー・テレサまで時代順に掲載されている。聖人に留まらず、『キリストにならいて』の著者トマス・ア・ケンピスなど、筆者が「聖なる人にふさわしい」と考えた人物たちも併せて紹介している。
著者は聖人たちを、己の弱さ小ささを自覚して、ひたすらに神の憐みを懇願した人たちとし、決して雲の上の存在ではなく、私たちと同様に神の助けがなければ何もできない弱い存在だと解説する。
アウグスティヌスが情欲に苦しみ、マニ教に入信していたことは有名だが、現在は「史上最大の教父」と言われる聖人も私たちと違いがなかったことに気づかされる。
「私たちも神のみ前にへりくだって彼らの足跡をたどっていけば、いつかは聖人への道が開けてくるのではないか」と著者。
かつて「聖人になりましょう。だれでもその可能性をもっています。そして、そのための秘訣は祈りです」と語ったマザー・テレサが列聖されたことを思うと、私たちは弱さを自覚しながらも、神に備えられた道を歩くことから始めなくてはならないと思わされる。