【児童書】『ねことばじてん』
[レビュアー] 篠原知存(ライター)
■ねこ満載の言葉遊び
〈このじてんは「ねこ」のついたことば「ねことば」でできています〉
言葉遊びの絵本。たとえば、ねこ+こたつが「ねこたつ」。猫がこたつにうじゃうじゃ集まる絵がつく。ねこ+コミカルは「ねこミカル」で、腹踊りをする猫の図-といった具合。
「ねこうげき」「ねこんじょう」「ねこーラ」「ねこ春日和」「ねこンクリート」…。要するに「こ」で始まる言葉なら、なんでも「ねことば」になっちゃうんだけど、とぼけた味わいのイラストがいい。ぐいぐい引き込まれる。
「ねこさくのう」には、思わずプッと噴き出した。「ねこいぬ」「ねこアラ」「ねこモドドラゴン」は、いったい猫なのかどうなのか。「ねこのみちはいつかきたみち」「ねこころここにあらず」とかの無理やり感も好みだ。「ねこんちくしょー」「ねこりゃいいや」といった会話系は実生活で使ってしまいそう。
イラストを見て「ねこ」に続く空欄を埋める「ねことばドリル」がすらすら解けたら、あなたもハマッた証拠。ねこれはおすすめ。(かしわらあきお作/主婦の友社・1200円+税)
篠原知存